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2022 年度 実施状況報告書

成人T細胞白血病・リンパ腫の新規発症予測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K08507
研究機関佐賀大学

研究代表者

勝屋 弘雄  佐賀大学, 医学部, 講師 (80632041)

研究分担者 佐藤 賢文  熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 教授 (70402807)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード成人T細胞白血病・リンパ腫 / HTLV-1 / cell-free DNA
研究実績の概要

成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)患者で急性型4例、リンパ腫型5例、慢性型 7例、くすぶり型 9例、HTLV-1キャリア 40例、計65の血液検体を収集した。分離された新鮮血漿を用いてHTLV-1 cell-free DNA(HTLV-1 cfDNA)の定量検査をddPCRにて実施した。HTLV-1 cfDNAは急性型で625 copies/ml (range, 68.8-1550), リンパ腫型1650 copies/ml (range, 837.5-3787.5), 慢性型56.3 copies/ml (range, 28.8-1213), くすぶり型17.5 copies/ml (range, 0-287.5), HTLV-1キャリア1.4 copies/ml (range, 0-33.8)と病勢に応じて高い値を示した。末梢血中に異常リンパ球が出現していないリンパ腫型においてHTLV-1 cfDNAは最も高値であった。他の末梢性T細胞リンパ腫との鑑別が困難であった症例ではHTLV-1 cfDNAは低値を示し、サザンブロッティングでもモノクローナルな取り込みは認めなった。また、くすぶり型ATLで可溶性IL-2レセプター(sIL-2R)が上昇し、腋窩リンパ節腫脹を認めアグレッシブATLへの進行を疑われたが、生検では反応性リンパ節炎と診断された症例では、HTLV-1 cfDNAは上昇していなかった。また、HTLV-1 cfDNAとATLの他のバイオマーカーとの関連では、sIL-2R(r=0.773)と血清LDH(r=0.439)とは強い相関を示した。これらの結果よりHTLV-1 cfDNA定量はHTLV-1キャリアからの発症予測やATLの病勢を強く反映する指標であることを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

検体集積が順調に進み、研究を遂行することができている。

今後の研究の推進方策

現在、Letterとして論文に投稿中である。今後は同種造血幹細胞移植症例の検体を集積し、HTLV-1 cfDNA定量の微小残存病変として有用性を評価する。

次年度使用額が生じた理由

当施設に設置されているPCR機器を使用し、すでに購入してた血漿分離とDNA抽出のための試薬を用いたため、物品費の使用を少なく抑えることができた。

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公開日: 2024-12-25  

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