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2022 年度 実施状況報告書

造血器腫瘍におけるMDSCを標的としたmiRNAインヒビターカクテル療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K08513
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

志村 勇司  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00714685)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードMDSC / 多発性骨髄腫 / 免疫療法 / micro RNA / exosome
研究実績の概要

本研究は、成熟B細胞性腫瘍、主に形質細胞性腫瘍による骨髄由来免疫抑制系細胞(Myeloid-derived suppressor cell: MDSC)誘導の機序を解明し、免疫療法の効果増強・抵抗性克服のための治療法開発を目標としている。2022年度は、腫瘍由来エキソソーム(Tumor-derived exosome: TEX)内に含まれる候補micro RNAの中から、MiR-106a-5pおよびMiR-146a-5pが正常末梢血単核球からMDSCを誘導しうること、これら候補micro RNAは細胞内よりもTEX内に高発現していることを見出した。次に、候補分子による末梢血単核球内の変化を確認したところ、IDO1、CD38、PD-L1、CCL5といった分子の発現が亢進しており、pathway解析によりIFN-alpha、IFN-gamma、Inflammatory responseに関連した分子の発現亢進が示唆された。また、これらMicro RNAは相補的に働くとともに、我々が過去に報告したMDSC誘導能を持つ液性因子(CCL5、MIF)とも協調してMDSCを誘導することも確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画として、①MDSC誘導能を持つMicroRNAの同定、②多発性骨髄腫細胞由来のTEX内におけるMicroRNA発現の解析、ならびに①で同定した分子の発現亢進確認、③同定したMicroRNAに対するインヒビター効果の確認、最適な阻害効果を有する組み合わせの決定、④生体内投与にも応用できる最適なMicroRNAデリバリーシステムの開発、⑤臨床検体における効果の検証、を挙げている。2022年度に計画していた①②について、ほぼ目標どおりに成果を達成できたと考えている。

今後の研究の推進方策

研究計画に従い、③同定したMicroRNAに対するインヒビター効果の確認、最適な阻害効果を有する組み合わせの決定、④生体内投与にも応用できる最適なMicroRNAデリバリーシステムの開発、⑤臨床検体における効果の検証、を進めていく予定である。また、他の成熟B細胞性腫瘍についても同様のMDSC誘導能に関する検討を追加して行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] miR-106a and miR-146a delivered by tumor-derived exosome promote MDSC induction in multiple myeloma2022

    • 著者名/発表者名
      水原健太郎, 志村勇司 他
    • 学会等名
      日本血液学会学術集会
  • [学会発表] Mir-106a-5p and Mir-146a-5p Delivered By Tumor-Derived Exosomes Promote the Induction of Myeloid-Derived Suppressor Cells from Normal Peripheral Blood Mononuclear Cells in Multiple Myeloma2022

    • 著者名/発表者名
      Mizuhara Kentaro, Yuji Shimura et al.
    • 学会等名
      Annual meeting of American Society of Hematology
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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