研究課題/領域番号 |
22K08525
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
藤井 隆夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70255462)
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研究分担者 |
金桶 吉起 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20280589) [辞退]
藏本 伸生 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70444461) [辞退]
岩田 慈 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60389434)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / 中枢神経障害 / サイトカイン / 核磁気共鳴画像 / モノアミン |
研究実績の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)は重篤な臓器障害を伴う代表的な自己免疫疾患である。近年、生物学的製剤を含め多数の治療薬が使用可能となっているが、比較的高頻度に認められかつ重症病態である神経精神ループス(neuropsychiatric SLE, NPSLE)については適切な免疫抑制療法が決まっていないと考えられる。その理由として、NPSLEに対して臨床試験が組みにくく薬剤のエビデンスが極めて少ないことが挙げられる。これはNPSLEの病態がきわめてheterogeneousであること、またNPSLEと同様重症病態であるループス腎炎と異なり、病態局所の組織所見が得られないことや複数の病態が混在しているためと考えられる。われわれは以前より脳脊髄液(CSF)中の液性因子と自己抗体、および臨床症状との関連を検討してきたが、MRI所見との関連については検討できていなかった。本研究はSLE患者の脳活動をfunctional MRI(fMRI)により調べて、他の指標との関連を明らかにすることを目的としている。現在も患者リクルート中であり、13例の患者が組み入れられている。これらの患者については、すべて入院中の患者で、CSF所見や血液所見、また詳細な臨床症状(NPSLEに関わるもの、それ以外のものも含め)が得られている。今後、共同研究者(本年度より同研究室の堂西先生)とfMRIの評価を行い、様々な視点から検討を加えた上で、CSF中の自己抗体や液性因子、また他の臨床症状との関連を明らかにしたい。実際には症例数がやや少なく(covid-19 pandemicのためもある)が、夏までにもうすこし症例登録を進め、ある程度の傾向をつかみ、年内には学会報告したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍より開始した研究であり、患者のリクルートに時間がかかっている。またfMRIを撮影するために、入院中の患者は検査施設まで外出しないといけないが、病棟のルールでそれが不可能になったため、予想より撮影件数が減ってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
もう少し時間が残されているため、極力多数の症例をリクルートして、その傾向のみでもつかみたい。またCSF中の自己抗体-液性因子-fMRI所見の相関が示唆されれば、さらに今後も本研究を深化させたく、その前段階としてのデータは年内に得るよう努力する。現在は順調に患者が組み入れられているため、2024年が最終年度であることを考え速やかに研究を遂行したい。
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