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2022 年度 実施状況報告書

クローン性造血を介した炎症性免疫疾患の機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K08546
研究機関熊本大学

研究代表者

平田 真哉  熊本大学, 病院, 講師 (60418829)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード炎症性免疫疾患 / クローン造血 / 臨床免疫
研究実績の概要

今年度は末梢血を磁気ビーズでT細胞、B細胞、顆粒球系細胞、NK細胞、単球・マクロファージ、樹状細胞に分離して、それぞれの細胞の分離精度を確認しつつ、サイトスピンでスライドグラスに張り付けて8番染色体のFISHを行うことが確認できた。また、27種類の細胞表面抗原を用いたMass Cytometory(CyTOF)にて、自然免疫・獲得免疫細胞の分画を識別できることを確認した。また、これまでにエントリーできているTrisomy 8を合併した腸管病変を持つ症例の末梢血を採取し、細胞ストックやサイトカイン測定用の血清・血漿のストックを行った。今年度、残念ながら新規症例のエントリーが少なく、計5症例以上の症例数が集まったところで、症例検体を用いた実験を行う予定としている。なお、物品や試薬については今年度はすでに研究室に備えられていたものでまかなうことができ、次年度に繰り越した。
また、本研究と関連して、腸管病変を伴うベーチェット病におけるMEFV遺伝子変異と病態の表現型、治療抵抗性の解析を共著者として(J. Clin. Med. 2023, 12(9), 3131)、ほかに臨床免疫学にかかわる希少症例をcorresponding authorとして(Mod Rheumatol Case Rep. 2022 Nov 25;rxac087.)、報告した。
さらに、日本リウマチ学会・学術集会や九州リウマチ学会、臨床免疫学会の学術集会に参加して、炎症性腸疾患を生物学的製剤で加療中に大型血管炎を発症した症例の報告をはじめ多数の発表を行うとともに、Trisomy8を伴う腸管病変、クローン造血、ベーチェット病、自己炎症性疾患、臨床免疫学の新たな情報の収集、意見交換を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

症例のエントリーがやや少なく症例検体を用いての実験が難しかったが、実験そのものが稼働することを十分に確認できた。また、すでにエントリーしている症例の治療後のサンプル採取は順調にできている。さらに、学会参加などを通じて得られた新たな情報収集の中で、本研究に重要な知見も多く、進捗状況としてはおおむね順調と判断している。

今後の研究の推進方策

予定通り、症例のエントリーを進めつつ、これまでに確立したCyTOF、細胞分画FISH、ELISAなど実験手法をにより症例検体を用いた実験を実施していく予定である。また、スケジュールに従って、8番染色体にコードされ炎症性腸疾患の潰瘍性大腸炎で発現増加が示唆されている遺伝子についてTrisomy8の多い細胞群でReal Time RT-PCRによる発現量の解析や網羅的な遺伝子発現解析の目的でRNA次世代シークエンシング(RNA-seq)や網羅的オープンクロマチン領域解析(ATAC-seq)を行う。また、成果を学会発表などで行っていくことを計画している。

次年度使用額が生じた理由

今年度、主に分子生物学的解析試薬(抗体、検査試薬、細胞の処理試薬など)やプラスチック実験器具の購入を予定していたが、すでに研究室に備えられていたものでまかなうことができたため、次年度の購入とした。機器の使用料については、今回は当研究室所有の機器の使用のみであったため、計上しなかった。次年度は大学所有の機器を頻回に使用する予定であるため、今年度繰り越した経費を適切に使用する予定である。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Possible Association of Mutations in the MEFV Gene with the Intestinal Phenotype of Beh?et’s Disease and Refractoriness to Treatment2023

    • 著者名/発表者名
      Furuta Yoki、Gushima Ryosuke、Naoe Hideaki、Honda Munenori、Tsuruta Yuiko、Nagaoka Katsuya、Watanabe Takehisa、Tateyama Masakuni、Fujimoto Nahoko、Hirata Shinya、Miyagawa Eiko、Sakata Komei、Mizuhashi Yumiko、Iwakura Mikako、Murai Masayuki、Matsuoka Masao、Komohara Yoshihiro、Tanaka Yasuhito
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Medicine

      巻: 12 ページ: 3131~3131

    • DOI

      10.3390/jcm12093131

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Overlap syndrome involving anti-OJ antibody-positive polymyositis, systemic lupus erythematosus and Sjogren’s syndrome: A case report and literature review2022

    • 著者名/発表者名
      Mizuhashi Yumiko、Hirata Shinya、Sakata Komei、Miyagawa Eiko、Iwakura Mikako、Murai Masayuki、Sasai Tsuneo、Matsuoka Masao
    • 雑誌名

      Modern Rheumatology Case Reports

    • DOI

      10.1093/mrcr/rxac087

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 【膠原病・リウマチ診療における薬剤使用上の注意】タクロリムス2022

    • 著者名/発表者名
      平田真哉
    • 雑誌名

      リウマチ科

      巻: 68(1) ページ: 11-17

  • [学会発表] 関節リウマチ・シェーグレン症候群に合併するリンパ増殖性疾患について2022

    • 著者名/発表者名
      平田真哉
    • 学会等名
      第30回日本シェーグレン症候群学会学術集会・モーニングセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患~膠原病医の視点から~2022

    • 著者名/発表者名
      平田真哉
    • 学会等名
      周産期・母性診療センター 母性内科 講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 膠原病の加療中に非結核性抗酸菌症による関節炎を合併した4例2022

    • 著者名/発表者名
      平田真哉,村井優之,坂田康明,堀江英顯,水橋由美子,岩倉未香子,松岡雅雄
    • 学会等名
      第64回九州リウマチ学会・学術集会
  • [学会発表] アダリムマブでクローン病を治療中に大型血管炎を発症した一例2022

    • 著者名/発表者名
      村井優之,平田真哉,堀江英顯,水橋由美子,坂田康明,岩倉未香子,松岡雅雄
    • 学会等名
      第64回九州リウマチ学会・学術集会
  • [学会発表] 腎炎を合併した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の5例2022

    • 著者名/発表者名
      坂田康明,村井優之,斎藤禎晃,堀田幸里,堀江英顯,水橋由美子,岩倉未香子,平田真哉,松岡雅雄
    • 学会等名
      第64回九州リウマチ学会・学術集会
  • [学会発表] 画像検査が診断の一助となったMuscular Polyarteritis Nodosaの一例2022

    • 著者名/発表者名
      堀江英顯,村井優之,坂田康明,岩倉未香子,平田真哉,松岡雅雄
    • 学会等名
      第64回九州リウマチ学会・学術集会
  • [学会発表] メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患既往のある治療抵抗性関節リウマチ患者に発症したWhipple病の一例2022

    • 著者名/発表者名
      古田 梨愛,坂田 康明,村井 優之,平田 真哉
    • 学会等名
      第66回日本リウマチ学会総会・学術集会
  • [学会発表] シェーグレン症候群に合併した非MALTリンパ腫の特徴2022

    • 著者名/発表者名
      村井 優之,坂田 康明,堀田 幸里,斎藤 禎晃,水橋 由美子,宮川 英子,岩倉 未香子,平田 真哉
    • 学会等名
      第66回日本リウマチ学会総会・学術集会
  • [学会発表] 間質性肺炎を伴う炎症性筋疾患における縦隔気腫を合併した症例の特徴2022

    • 著者名/発表者名
      堀田 幸里,坂田 康明,斎藤 禎晃,村井 優之,水橋 由美子,宮川 英子,岩倉 未香子,平田 真哉
    • 学会等名
      第66回日本リウマチ学会総会・学術集会
  • [学会発表] 当院における高年発症の全身性エリテマトーデス患者の特徴2022

    • 著者名/発表者名
      斎藤 禎晃,坂田 康明,堀田 幸里,村井 優之,水橋 由美子,岩倉 未香子,平田 真哉
    • 学会等名
      第66回日本リウマチ学会総会・学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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