研究課題/領域番号 |
22K08546
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
平田 真哉 熊本大学, 病院, 講師 (60418829)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Trisomy8 / 腸管ベーチェット病 / クローン性造血 |
研究実績の概要 |
腸管ベーチェット病様の病態を示す8番染色体が3本あるTrisomy8の症例について、これまで得ているサンプルから、病勢に準じて血液中のTrisomy8細胞が増えており、また、炎症局所にTrisomy8細胞が浸潤していることを明らかにしている。現在、末梢血中の細胞分画におけるTrisomy8細胞、ならびにサイトカインを検出中である。いっぽうで、当院消化器内科との共同研究にて、腸管型ベーチェット症例と、腸管病変を認めないベーチェット病症例、健常対照者において家族性地中海熱の変異遺伝子として知られるMEFV遺伝子解析を行ったところ、同遺伝子変異を有する症例群において治療抵抗性が多いことを明らかにした報告を発表した(J. Clin. Med. 2023,12(9), 3131)。本研究の症例においても、同様の解析を行っている。いっぽうで、本年度は該当する新規症例のエントリーができなかったため、新しいサンプルの入手ができなかった。 さらに、日本リウマチ学会・学術集会、九州リウマチ学会に参加して、大血管炎とグルココルチコイド、高齢発症の血管炎、九州に多いHTLV-1キャリア症例と膠原病、複数の希少疾患の症例報告などを積極的に行うとともに、座長等、会の運営にも参加した。ほかにも炎症性腸疾患を生物学的製剤で加療中に大型血管炎を発症した症例の報告をはじめ多数の発表を行うとともに、Trisomy8を伴う腸管病変、クローン造血、ベーチェット病、自己炎症性疾患、臨床免疫学の新たな情報の収集、意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析そのものは順調に進展していると考えているが、症例のエントリーが予想よりも少なく、また、他院への転医などがあり、検体収集に力を入れている。ある程度の症例数により、特殊な症例ではなく、普遍的な事実を知ることが可能になるため、今後も精力的に症例のエントリーを進めたい。 また、関連する知見による学会参加・発表、論文発表などを行っており、おおむね順調と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
少数ではあるが症例検体を用いて、CyTOF、細胞分画FISH、ELISAなどを実施していく。また、8番染色体にコードされている炎症性腸疾患で発現増加が考えられている遺伝子について、Trisomy8細胞群でReal Time RT-PCRによる発現量の解析や網羅的な遺伝子発現解析の目的でRNA次世代シークエンシング(RNA-seq)や網羅的オープンクロマチン領域解析(ATACseq)を行う計画としている。また、最終年度であるため、成果を学会発表などで行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、分子生物学的解析試薬(抗体、検査試薬、細胞の処理試薬など)やプラスチック実験器具の購入を予定していたが、別途研究室で購入していたものを用いた。機器の使用料についても、今回は当研究室所有の機器の使用のみであったため、計上しなかった。今後、大学所有の機器の使用頻度が増すため、繰り越した経費を適切に使用することができる。
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