研究課題/領域番号 |
22K08549
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
松下 祥 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50167649)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ドーパミン(DA) / アデノシン(AD) / 17型ヘルパーT細胞(Th17) / 自己免疫病 / COVID-19 |
研究実績の概要 |
免疫細胞自体が分泌するドーパミン(DA)やアデノシン(AD)を介したシグナルが、17型ヘルパーT細胞(Th17)によるIL-17産生を介することにより、好中球性炎症を誘導し、その受容体アゴニスト・アンタゴニストが自己免疫病などの各種好中球性炎症を抑制することを世界に先がけて明らかにしてきた。 本研究は免疫細胞における神経伝達物質の作用機構に関する研究を完成させ、さらには新たな受容体アンタゴニストの開発、ならびにCOVID-19におけるTh17応答の解析により、その抑制制御に関する知見を提供することを目的としている。以下の3点を目指す。 目的1)神経伝達物質が免疫シナプスにおいて作用していることを解明する。目的2)脳血液関門を通過しない新規アデノシン受容体アンタゴニストを開発する。目的3)SARS-CoV-2スパイク蛋白上のTh17エピトープと抗原提示分子を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
cDNA display library技術を用いてA2a受容体に対する特殊ペプチドアンタゴニストの開発を試みている。特殊ペプチドは通常のペプチドとは異なり、大環状骨格を含んだペプチドであり脳血液関門を通過しないので、既存のパーキンソン病治療薬のような統合失調症様副作用の心配がない。本法には従来のmRNA RaPID display法に比べてメリットがある。 今年度は最新のcDNA display library技術を用いて研究を行ったが、条件検討とペプチドの環状化に時間を要したため当初の研究予定よりもやや遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きcDNA display library技術を用いてA2a受容体に対する特殊ペプチドアンタゴニストの開発を行い、各種動物モデルを用いたin vivoでの抑制活性を評価する。これにより膠原病およびアレルギー治療に関する基礎的知見を確認する。それと同時にIL-17産生増強に必要な神経伝達物質の濃度は生理的な血清中濃度よりもかなり高い事から、パーフォリンやグランザイムは免疫シナプスの狭小空間で作用するがゆえに局所での高濃度が作り出されているが、神経伝達物質もこれと同じ機序を免疫応答において用いているという作業仮説のもとに検証作業を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
従来のmRNA RaPID display法に比べてメリットが高いcDNA display library技術を用いてA2a受容体に対する特殊ペプチドアンタゴニストの開発を試みている。 今年度は最新のcDNA display library技術を用いて研究を行ったため、条件検討とペプチドの環状化に時間を要した。当初の研究予定よりもやや研究計画に遅れが生じた事もあり、次年度使用額が生じた。次年度は計画通り使用する予定である。
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