• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

組換え乳酸菌による新型コロナウイルス経気道粘膜ワクチン・治療薬の基盤構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K08578
研究機関信州大学

研究代表者

佐藤 隆  信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 特任教授 (70510436)

研究分担者 下里 剛士  信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (00467200)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード気道粘膜ワクチン / 組換え乳酸菌 / COVID-19 / SARS-CoV-2 / 経気道治療
研究実績の概要

本研究は、組換え乳酸菌を用いたSARS-CoV-2抗原蛋白、あるいはSARS-CoV-2に対する低分子抗体の産生・運搬体を構築し、経気道投与によるCOVID-19抗体医薬や粘膜ワクチンの開発を目的とする。
2023年度は、組換え乳酸菌による経気道粘膜ワクチンの素材開発を検討した。まず、1)SARS-CoV-2変異株で保存される抗原情報をもとにした組換え乳酸菌の作成を考慮し、次いで2)ヒト臨床試験でも検証された組換え蛋白ワクチン(S-268019)の情報をもとにした組換え乳酸菌の作成を検討した。特に、S-268019はヒト臨床においてブースト使用による優れた交差反応性が判明し(Takano T, Sato T, et al. Nature Communications 2023, 14, 1451)、受容体結合部位(receptor binding domain)を含むスパイク(S)蛋白全長あるいはS1サブユニット蛋白情報をもとに組換え乳酸菌での産生に最適化が図れるか検討中である。引き続き検討を進めるとともに、2022年度に作成しS蛋白の受容体結合部位への高い結合活性が示されたCC12.1低分子抗体(Oshima S, Namai F, et al. Molecular Biotechnology 2024, 66, 151)の検証を進める。具体的には、CC12.1scFv産生組換え乳酸菌を用いたSARS-CoV-2 in vitro感染モデルでのウイルス中和活性の検討を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度に検討した経気道粘膜ワクチン候補となる組換え乳酸菌の構築の検討と、最適化に時間を要していることから進捗状況はやや遅れている。特に標的蛋白の分子量の面からの最適化に時間を要しており、最近のCOVID-19経鼻ワクチン開発の報告(Lancet 2023,11, 1075)等の結果も踏まえた検証を要する。

今後の研究の推進方策

本研究の今後の方策として、経気道粘膜ワクチン開発とともに初年度に作成した経気道治療用抗体(CC12.1scFv)の検証を進める。特にCC12.1scFvのウイルス中和活性の検証を行い、将来の組換え乳酸菌によるCOVID-19経気道治療の臨床開発に向けた基盤構築をすすめる。

次年度使用額が生じた理由

ウイルス中和活性の検証を次年度に持ち越したため、物品費(消耗品)ならびに旅費等の使用を次年度使用に繰り越した。次年度の実験計画とあわせて必要物品並びに旅費等へ充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 組換え乳酸菌による 医薬・ワクチン開発2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤 隆
    • 雑誌名

      BIO Clinica

      巻: 39 ページ: 531~535

  • [雑誌論文] Development of a Single-Chain Fragment Variable that Binds to the SARS-CoV-2 Spike Protein Produced by Genetically Modified Lactic Acid Bacteria2024

    • 著者名/発表者名
      Oshima Suzuka、Namai Fu、Sato Takashi、Shimosato Takeshi
    • 雑誌名

      Molecular Biotechnology

      巻: 66 ページ: 151~160

    • DOI

      10.1007/s12033-023-00741-y

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi