研究課題
本年度は、奈良県立医科大学附属病院、東北医科薬科大学病院、および株式会社ビーエムエルからさらにカルバペネマーゼ産生Klebsiella pneumoniaeを収集した。まず、それぞれの施設で質量分析装置を用いてKlebsiella pneumoniaeと同定された株のうち、自動機器測定のMICにて、イミペネム 2 μ g/ml以上かつセフメタゾール 64 μg/ml以上、またはメロペネム 2 μg/ml以上の株を対象に収集した。その結果、昨年度に70株収集したが、現在、190株まで収集株を増やすことが出来た。これらのKlebsiella pneumoniaeを順次解析を進めているが、現在のところ、カルバペネマーゼとしてIMP-6が最多で、続いてIMP-1であり、その他のカルバペネマーゼ(NDM, KPC, VIM, OXA-48)は検出されていない。また、IMP-6保有プラスミドのほとんどはESBLであるCTX-M-2を同時に保有していた。また、IMP-6のみ保有するものや、CTX-M-35やCTX-M-65を保有するものが見られるなど、以前より多様性を呈してきていることが示唆された。接合伝達能については、IMP-6保有株のうち90%以上が伝達され、伝達頻度も-4乗程度とかなり高い頻度であった。また、高病原性クローンとされるST23, ST65, ST86が現時点で約25%を占めており、高病原性かつカルバペネム耐性という株の増加が示唆される。
2: おおむね順調に進展している
1年目の遅れをおおむね取り戻せたところである。
現在も菌株を収集中であり、さらに株数を増やして解析予定である。現在実施中の薬剤感受性試験、modified CIM法によるカルバペネマーゼ産生確認、接合伝達能の評価、カルバペネマーゼ遺伝子の検索に加え、カルバペネマーゼ遺伝子保有プラスミドのレプリコン型別、PFGE, MLSTによる型別と流行クローンの特定を現在、順次実施中であり、今後も残りの株について実施予定である。
株の収集は予定以上に進んだが、その分、一部の解析を次年度に回したため予定していた額と差異が生じた
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