研究実績の概要 |
Single cell RNA-seq解析と血球表面マーカー解析及びサイトカインパネル解析を実施し、先行研究で得られた結果より単球系細胞の役割に注目しつつ、特定の免疫細胞の活性化をシングルセルレベルで明らかにしこれらの変化に関与する細胞シグナル経路や免疫細胞間の相互作用を解明するため、HIV感染者と健常人よりワクチン接種前および接種後約2か月目に採取した血液検体(血清,末梢血単核細胞)を用いて、サイトカイン産生量の変化とリンパ球サブセットの増減を調べるとともに、scRNA-seq,レパトア解析を実施した。サイトカインについては、主に単球、T細胞によって産生されるCCL3,CXCL9,CCL17,IL19,IL-6,IL-10,VEGFをELISA法により測定し、これに対応する単球、T細胞、B細胞機能の変化に着目し、マルチカラーフローサイトメトリー法でリンパ球、単球サブセットを解析した。この際、マクロファージをはじめとした周辺の免疫細胞から産生されるサイトカイン(CCL3,CXCL9等)との連動にも注目して解析を行った。これらの解析結果を考察し、接種ワクチンによる免疫細胞およびサイトカインの増減の違いについて検討を進めている。 シングルセルレベルについて、現段階では、HIV感染者と健常人の間に明らかな違いはみとめられないものの、さらなるマルチカラーフローサイトメトリー法などで解析を継続し検討を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度実施した「Single cell RNA-seq解析と血球表面マーカー解析及びサイトカインパネル解析を実施し、先行研究で得られた結果より単球系細胞の役割に注目しつつ、特定の免疫細胞の活性化をシングルセルレベルで明らかにし、これらの変化に関与する細胞シグナル経路や免疫細胞間の相互作用を解明するための解析」で採取した末梢血単核細胞の中から、臨床背景や治療経過によって接種ワクチン毎に2症例を選定し、scRNA-seq, レパトア解析を実施する。 シングルセルレベルで免疫細胞クラスター の増減を検出し、昨年度の解析で得られたサイトカイン産生およびリンパ球サブセットデータを検証する。また、重症化に至る際に活性化されるシグナル経路(TNF-α, JAK-STAT経路等)を併せて検討する。
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