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2022 年度 実施状況報告書

薬剤耐性菌呼吸器感染に対する新規D-アミノ酸含有カチオン性抗菌ペプチドの治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K08610
研究機関東邦大学

研究代表者

青柳 哲史  東邦大学, 医学部, 准教授 (50581609)

研究分担者 坂本 泉  東北大学, 医学系研究科, 助教 (20705305)
石井 良和  東邦大学, 医学部, 教授 (90246695)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード薬剤耐性菌 / 抗菌ペプチド / 肺炎
研究実績の概要

薬剤耐性(AMR)は世界的な脅威で、2050年に世界でAMRによる感染症の死亡者数は1,000万人を超え、癌の死亡者数を上回ると予想される。下気道感染症は、世界の死因の第5位で、本邦でも肺炎は死因の第5位である。世界中でCOVID-19が問題となっているが、抗菌薬が広く使用されており将来的なAMR増加が危惧される。しかし、抗菌薬の研究開発は世界的に停滞しており、ポストコロナを見据えたAMRによる呼吸器感染症に対する新規治療薬の確立が求められる状況である。
カチオン性抗菌ペプチド(CAMPs)は細菌に対し広い抗菌活性を有し、耐性誘導を起こしにくく抗微生物薬としての開発の期待が高いが、臨床応用はわずかである。近年、研究協力者のひとりが糞虫のcoprisinから脂質含有疎水性のD-CopW3の開発に成功した。本申請者らはD-CopW3のアミノ酸配列の置換、疎水性脂質の導入、アミノ酸残基置換などを行いD-CopW3の抗菌活性・生体安定性を上回る新規D体-アミノ酸含有CAMPs(D-CAMPs)の作成に成功した。
本研究の目的は、新規D-CAMPsを使用しAMRによる呼吸器感染症の治療開発を行うもので、①in vitroでAMRに対する抗微生物効果、細胞毒性評価を行い、②生体安定性やIn vitroでのPK/PD、投与回数・量、CAMPsの作用点を決定し、③AMR呼吸器感染動物で有効性・安全性の評価を行い、将来ヒトの呼吸器感染症の治療応用を目指すことである。
現在、D-CopW3を改良した新規ペプチド合成を行い、S. aureus、E.coli、P. aeruginosaに対してin vitroで抗菌活性評価を行っている。その中でいくつかの候補化合物の精製に成功しているが引き続き、化合物の精製およびin vitroでの抗菌活性評価を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在、新規カチオン性抗菌ペプチドであるD-CopW3に対し糖鎖等で修飾し新規化合物の作成を試みている。しかし、2022年3月に発生した福島県沖地震において施設が被災し、化合物精製性に係る機器に不具合が生じ、予定よりも化合物の作成に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

上記、不具合が生じたものの化合物作成は再開しており、2023年度には候補化合物の選択を行い、in vitroでの生体安定性や細胞毒性の評価を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

現在、Dアミノ酸含有新規抗菌ぺプチドを作成中である。2022年3月に生じた地震により施設内の化合物精製および解析装置に不具合が生じたため、化合物合成に遅れが生じているため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Evaluation of the performance of GeneSoC; a novel rapid real-time PCR system, to detect Staphylococcus aureus and methicillin resistance in blood cultures2023

    • 著者名/発表者名
      Chiba M, Aoyagi T, Yoshida M, Katsumi M, Fujimaki SI, Ishii Y, Tateda K, Kaku M.
    • 雑誌名

      J Infect Chemother

      巻: 29 ページ: 718-721

    • DOI

      10.1016/j.jiac.2023.03.006.

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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