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2022 年度 実施状況報告書

甲状腺ホルモンによる負の転写調節からみたバセドウ病の病因解明と治療戦略の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K08622
研究機関浜松医科大学

研究代表者

佐々木 茂和  浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20303547)

研究分担者 松下 明生  浜松医科大学, 医学部, 助教 (50402269)
大場 健司  浜松医科大学, 医学教育推進センター, 特任講師 (70649392)
古橋 一樹  浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (70759935)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード甲状腺ホルモン / 甲状腺ホルモン受容体 / 制御性T細胞 / Foxp3 / バセドウ病 / 転写調節 / GATA3 / GATA2
研究実績の概要

バセドウ病はTSH受容体抗体(TRAb)が出現する自己免疫疾患であるが、免疫異常の真の原因は未だ明らかではない。本邦での治療の第1選択はT3、T4の合成阻害剤である抗甲状腺剤である。本剤でT3、T4が低下するのは当然であるが、多くの症例ではさらにTRAbも減衰させるが、その機序は今も不明である。実際に中止後の再発は多いがその理由も明らかでない。ところで本症では制御性T細胞(Treg)の分化決定因子Foxp3遺伝子多形の連鎖が報告されている。また甲状腺中毒症では抹消血のTreg陽性細胞を減らすことが報告されている。Foxp3Tregの分化を決定する転写因子Foxp3の遺伝子の発現にはイントロン領域のConserved Non-coding Sequence (CNS)2が深く関わり、転写因子GATA3が結合する。また近年TregにGATA2が発現していることが報告されている。私達はFoxp3遺伝子のプロモーターにCNS2のGATA応答配列を融合させたCATレポーター遺伝子(mFoxp2-CNS2-CAT)を作成した。このレポーターコンストラクトはGATA2によって活性化され、リンパ球には甲状腺ホルモン受容体(TR)としてTRα1、β1、β2の発現が知られている。GATA2によるmFoxp2-CNS2-CATの活性化はβ1、β2によってT3依存性に抑制された。mFoxp2-CNS2-CATはGATA3によっても活性化されたが3種のTRによるT3依存性の抑制については統計的有意差を検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

GATA2がFoxp3-CNS2を活性化することとTRβ1、β2を介するT3依存性の負の調節は統計的な有意差が確認できた。一方、GATA3はFoxp3-CNS2を活性化したが、TRを介するT3依存性の抑制は変動が大きく統計的な有意差に至っていないため、現在検討を重ねている。

今後の研究の推進方策

GATA3によるFoxp3-CNS2を活性化をTRβ1、β2がT3依存性に負に調節することが確認できた時点できたら、甲状腺のFoxp3に対する免疫組織染色ならびにRT-PCR,ウエスタンブロッティングを行う。

次年度使用額が生じた理由

GATA2がFoxp3-CNS2を活性化することとTRβ1、β2を介するT3依存性の負の調節は統計的な有意差が確認できた。一方、GATA3はFoxp3-CNS2を活性化したが、TRを介するT3依存性の抑制は変動が大きく統計的な有意差に至っていないため、現在検討を重ねる必要がある。

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公開日: 2023-12-25  

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