研究課題/領域番号 |
22K08679
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
佐藤 雅 北里大学, 医学部, 講師 (40611843)
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研究分担者 |
内田 健太郎 北里大学, 医学部, 講師 (50547578)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | NKT細胞 / MAIT細胞 / 脂肪前駆細胞 / 脂肪組織炎症 / 肥満 |
研究実績の概要 |
本研究では、整形外科手術時に肥満患者から採取したヒト脂肪細胞を用いて、新たなNKT細胞活性化抗原をヒトで明らかにする。さらに、ヒト・マウスにおける脂肪前駆細胞のサブセット解析、NKT細胞との共培養実験によりNKT細胞の活性化機構を解析し、新たな肥満症治療のアプローチの確立を目指す。変形性膝関節症(OA)患者の手術検体より膝蓋下脂肪体を採取し、組織に浸潤するリンパ球をフローサイトメーターで解析した。CD45陽性細胞集団には、T細胞、単球が含まれていることがわかった。T細胞集団を詳しく調べると、CD4陽性T細胞やCD8陽性T細胞は確認できるが、NKT細胞は極めて少ないことがわかった。しかし、NKT細胞と同様の自然T細胞に属するMAIT細胞は確認でき、MAIT細胞の80-90%がCD8陽性であることが確認できた。また、CD14陽性HLA-DR陽性単球は同定できたが、B細胞はほぼ存在しなかった。CD45陰性集団においては、CD31陽性血管内皮細胞やCD90陽性線維芽細胞が確認できた。次に、NKT細胞とMAIT細胞の抗原提示分子となるCD1dとMR1の発現を調べたところ、予想外にCD1dの発現はCD45陰性集団にも単球にも認められなかった。一方、MR1の発現は単球において、低発現ではあるが確認できた。集積したフローサイトメトリーのデータは、BMIやコレステロール値などの因子との相関を検討し、肥満による膝蓋下脂肪体のリンパ球組成を解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症による整形外科手術の縮小のため。
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今後の研究の推進方策 |
集積したフローサイトメトリーのデータは、BMIやコレステロール値などの因子との相関を検討し、肥満による膝蓋下脂肪体のリンパ球組成を解析する。膝蓋下脂肪体の浸潤リンパ球における炎症性サイトカインを測定し、膝蓋下脂肪体における炎症反応が肥満とどのように相関するかを解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
OA患者の膝蓋下脂肪体に浸潤するリンパ球の機能を明らかにするために、RNA-Seq解析を行う。
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