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2023 年度 実施状況報告書

HMGB1ペプチドを用いた末梢血間葉系幹細胞動員による腎線維化の抑制

研究課題

研究課題/領域番号 22K08690
研究機関大阪大学

研究代表者

谷口 歩  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (10845225)

研究分担者 今村 亮一  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40456976)
阿部 豊文  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (90750894)
山中 和明  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10648017)
玉井 克人  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (20236730)
新保 敬史  大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (70780609)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードHMGB1 / 腎 / 線維化 / 慢性腎障害 / シングルセル
研究実績の概要

本研究では、High mobility group box 1 (HMGB1)のうち骨髄間葉系細胞血中動員活性ドメインKOI2を含むペプチドを用いて間葉系幹細胞を腎へ誘導しすることにより腎障害を抑制しうるか、また同ペプチドの腎不全に対する臨床応用の可能性について検討している。
昨年度は慢性腎障害で代表的な片側尿管閉塞モデル、急性腎障害で代表的な腎虚血再灌流モデルにおいて治療効果を認めなかった。そこで、腎障害においてHMGB1ペプチドの治療効果を促進する因子および阻害する因子があるかといったことを検討するべく、いちど腎障害のメカニズムそのものについてシングルセル解析を用いて評価した。この内容については、ラット急性腎障害に対するシングルセル解析自体が希少な情報であることを考慮して2022年度に論文報告、2023年度に国内学会で報告を行った。
本年度は慢性腎線維化に対するペプチド投与プロトコルを見直したうえで投与実験を行った。すなわち、肝線維化の例を考慮すると当初の2週間よりも長期間である4-8週間の投与期間が適切であると予想されたため、同期間での腎障害作成・ペプチド投与を実施した。しかしながら、同モデルにおいてもHMGB1ペプチドの治療効果を示すことは出来なかった。いっぽうで、シングルセル解析の結果解釈をさらに深めることで、急性腎障害モデルである短時間の腎虚血再還流モデルであっても、腎障害はネクローシス細胞の除去に関連する事象を伴うような激しい細胞障害を引き起こしており、ペプチドによる腎障害や繊維化の抑制作用の程度を正しく評価できていない可能性が考えられた。このため、HMGB1ペプチドの作用をより適切に評価するために緩徐な腎障害モデルの選定に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在のところ、いずれの腎障害モデルにおいても当初想定したペプチドの薬効を示しておらず、予定していた機序解析には進めていない。
また、修正版の腎障害・ペプチド投与プロトコルは長期モデルであり、サンプルを得るまでに1-2ヶ月を要するため、短期間で十分なサンプル数や解析の数を増やすことができなかった。

今後の研究の推進方策

より緩徐かつmoderateな腎障害および長期間でのペプチド投与スケジュールを実現するようなモデルを選定し、追加での投与実験を実施する。
また、慢性腎繊維化モデルについても既に急性腎不全モデルで報告したようなシングルセル解析の知見を活かして薬剤作用に関連する因子の同定を試みる。

次年度使用額が生じた理由

研究を進めていくうえで必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ラット両側腎虚血再灌流モデルに対する単一細胞トランスクリプトーム解析2023

    • 著者名/発表者名
      谷口歩, 宮下和也, 深江彰太, 田中亮, 西田真美, 北山智美, 新保敬史, 中澤成晃, 山中和明, 今村亮一, 玉井克人, 野々村祝夫
    • 学会等名
      第110回日本泌尿器科学会総会
  • [学会発表] ラット両側腎虚血再灌流モデルに対する単一細胞トランスクリプトーム解析2023

    • 著者名/発表者名
      谷口歩, 宮下和也, 深江彰太, 田中亮, 西田真美, 北山智美, 新保敬史, 中澤成晃, 山中和明, 今村亮一, 玉井克人, 野々村祝夫
    • 学会等名
      第110回日本泌尿器科学会総会 若手研究者クローズアップ企画

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公開日: 2024-12-25  

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