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2022 年度 実施状況報告書

乳癌における新規リンパ節転移診断キットの術前薬物療法症例への適応拡大

研究課題

研究課題/領域番号 22K08695
研究機関長崎大学

研究代表者

大坪 竜太  長崎大学, 病院(医学系), 講師 (80570043)

研究分担者 中島 正洋  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50284683)
田中 彩  長崎大学, 病院(医学系), 助教 (50893244)
永安 武  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)
松本 恵  長崎大学, 病院(医学系), 講師 (90404269)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードSemi-dry dot-blot / 乳癌 / リンパ節転移 / 術前薬物療法
研究実績の概要

2022年5月1日から2023年4月30日までに当院腫瘍外科と移植・消化器外科で術前薬物療法を行い、その後腋窩リンパ節郭清またはセンチネルリンパ節生検の腋窩手術を含めた根治手術を行った31症例、35腋窩(4例の両側乳癌症例あり)、合計61リンパ節が本研究に登録された。そのうち10リンパ節が術前の画像検査または細胞診検査で転移陽性と判断されたため腋窩リンパ節郭清術が行われ、51リンパ節が術前の画像または細胞診検査で転移陰性と判断されたためセンチネルリンパ節生検が行われた。
永久病理組織学的診断では61リンパ節中4個(6.6%)で2.0mmを超えるマクロ転移を認め、61リンパ節中2個(3.3%)で0.2ー2.0mmのマイクロ転移を認め、61リンパ節中55個(90.1%)で転移を認めなかった。4個のマクロ転移における自動解析機を用いたSDBキット検査での吸光度は242.3mABS、103.3mABS、192.5mABS、223.1mABSと全てマクロ転移・非マクロ転移鑑別のカットオフ値11.9mABSを超え、2個のマクロ転移では6.5mABS、5.9mABSとカットオフ値11.9mABSを下回り、55個全ての転移陰性リンパ節ではカットオフ値11.9mABS未満であった。
そのため、自動解析機を用いたSDBキット検査と永久病理組織学的検査の比較において、マクロ転移・非マクロ転移鑑別におけるSDBキット検査の感度・特異度・正確度は全て100%となり、非常に良好な成績を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究計画では3年間で60症例、120リンパ節以上を目標としていたが、1年で約半数の症例を集積できた。近年ではHER2陽性やトリプルネガティブ乳癌に術前薬物療法を行うも浸潤病変が残存する症例には術後補助薬物療法の適応があり予後を改善することが期待できるため、術前薬物療法の適応症例が増えていることが予想される。ただし、HER2陽性またはトリプルネガティブ乳癌が化学療法が奏功するため、マクロ転移が残存しているリンパ節が4個しか認められなかった。そのため、より良いエビデンスの構築のために研究計画の症例以上の症例集積が必要である。

今後の研究の推進方策

今後も術前薬物療法を行った症例を集積し、SDB検査と永久病理組織学的診断によるマクロ転移鑑別を比較する。このペースで3年間症例を集積できたと仮定すると、90症例、180リンパ節程度のマクロ転移リンパ節を集積できると思われる。より信頼性の高い感度や陽性的中率の評価と共にLN内リンパ球とバイオマーカーに関する付随的研究の対象症例を増やしたい。

次年度使用額が生じた理由

SDBキットの提供元であるニッポンジーンが保険収載を目的とした大型研究費であるGo-tech研究費(2年)を獲得したため、本研究費で予定していたSDBキットを本研究費を用いて購入できず、消耗品費の支出が減少した。Go-techの規則に抵触しない方法でSDBキットを作製してもらったものを購入するか、研究期間が終了してからSDBキットをまとめて購入する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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