研究課題/領域番号 |
22K08698
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
澤井 利夫 浜松医科大学, 医学部附属病院, 特任教授 (90351808)
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研究分担者 |
金廣 裕道 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30204580) [辞退]
當山 千巌 浜松医科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (10839369)
洲尾 昌伍 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40771019) [辞退]
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50364063) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 腸管サーファクタント / 壊死性腸炎 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は「胎児期から新生児期における腸管サーファクタントプロテインD(Sp-D)の形成を明らかにし、壊死性腸炎の発症について検討することで、腸管へのサーファクタント投与が壊死性腸炎の予防や治療に有効である可能性を研究する」ものである。その中で初年度は「胎児期や新生児期におけるSp-Dの形成を解明するために、マウス胎仔および 新生仔を用いて胎仔期から新生仔期に亘る腸管粘膜上に形成されるSp-Dの変化を検討する」ことを目的として研究を行った。 マウス胎仔および新生仔の十二指腸・胆嚢・胆管、小腸、大腸の標本を作製し,免疫染色を始めるに先だって、確実にSp-Dの分布がある肺(マウス)の標本作製を行った。これは今後の免疫染色時にはpositive controlとなる。肺の薄切標本に対して免疫染色を行った。免疫染色の条件を満たすに至らず。 奈良県立医科大学医大消化器・総合外科から昨年7月に浜松医科大学に異動した。異動が落ち着いた10月から研究に関する倫理委員会申請と許可および動物施設の使用許可をいただき、11月より実験を開始した。免疫染色は研究室のテクニシャンに依頼した。 胎児を検体としてサーファクタントD(Sp-D)の免疫染色を行った。肺胞内の染色は確認できたが、腸管内は染色陽性が明確で無かった。腸管内容物は洗い流された状態にあり、十分な染色に至らなかったと考えられた。 12月に再検討を予定したが、頭部外傷のため緊急入院・手術・その後のリハビリテーションを要し、仕事復帰が2024年4月になってしまった。 現在も復職プログラムに沿って勤務制限があり、まだ数ヶ月を要すると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
サーファクタントDの免疫染色を試みているが、肝心の腸管内容物についてまだ確実な染色が得られていない。 昨年7月に異動し、動物実験施設など実験再開が11月にずれ込んだ。また、実験の見直しをしている途中で、12月頭部外傷のため、緊急入院手術を要し、その後もリハビリテーション目的に計9週間入院を要した。その後も自宅療養し、職場に戻ったのが4月1日となった。また勤務制限がかかっており、制限解除は今年7月になると見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
実験について再開を速やかに図り、実験の見直しをする。 固定の際に腸管内容物の保持に十分配慮してサーファクタントDの免疫染色陽性をまずは成功させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は7月に浜松医科大学への異動が決定し、その準備や異動後の業務などで忙殺され年度前半は研究に時間を当てることができなかった。昨年度10月ごろから研究を再開したが、数回の免疫染色をトライしても有効な染色が得られず、免疫染色の見直しをしていた(腸管内容物の固定)矢先に、頭部外傷のため緊急入院や手術、その後のリハビリテーションと3月まで勤務から離れていた。そのため研究が進まないため、予算の予定額を消化できなかった。 7月までは勤務の制限がかかるが、その後はまずは検体の腸管内容物まで固定をして免疫染色を成功させ、まずは胎仔期から新生仔期までのサーファクタントDの動向を明らかにする。 次に壊死性腸炎モデルマウスを作成して、サーファクタントDの欠如を証明したい。それによってサーファクタントDの欠如が壊死性腸炎に影響があるという機序の証明ができる。
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