研究課題/領域番号 |
22K08701
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
佐久間 康成 自治医科大学, 医学部, 教授 (10296105)
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研究分担者 |
熊谷 秀規 自治医科大学, 医学部, 教授 (60364353)
大西 康晴 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60377257)
眞田 幸弘 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60406113)
相澤 健一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70436484)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 胆汁酸分析 / 網羅歴メタボローム解析 / 質量分析イメージング |
研究実績の概要 |
近年医療用解析機器の飛躍的進歩により、原因不明の小児肝胆道疾患の診断において、いくつかの候補となるマーカーが見つかり、その有用性について検討が行われている。そのような中、我々は数年前より最新の液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS/MS法)を用い、血液だけではなく胆汁中の胆汁酸高感度分析をいち早く可能としてきた。また、肝移植外科医の最大限の有利性として、生体試料(ここでは血液、胆汁、肝臓)を、術中に採取可能であることがあげられる。特に病的肝であるレシピエントの肝組織は重要であり、すでに当院にて運用可能となった質量分析イメージング(Mass Spectrometry Imaging: MSI)を利用し網羅的に解析することが可能である。これまで治療につながるマーカーが見つかっていない小児肝胆道疾患に焦点をあて、血液、胆汁、組織を網羅的に解析することにより、新規マーカーの探索を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに11例の胆道閉鎖症症例の胆汁酸解析を行ってきた。できるだけ、内服薬のバイアスを排除するように心がけてきたが、胆道閉鎖症症例の多くがすでにウルソデオキシコール酸が投与されており、その影響を受けていると思われる症例が認めたられた。そのため、さらなる症例の蓄積が必要と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで胆道閉鎖症症例の、血液、胆汁、摘出肝に注目して胆汁酸解析を行ってきたが、全胆汁酸動態を検討するうえで、尿中の胆汁酸も解析するとさらに興味深い結果が得られるのではないかと考えている。現在、最新の液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS/MS法)を用いて、尿中胆汁酸分析の解析も可能か検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでの胆汁酸解析は、本研究セットアップの段階で用いた試薬を使用してきたため、ほぼ消耗品の使用は行っていない。今後、一気に血液、胆汁、尿、肝組織の解析を進める予定であり、その際使用する予定である。
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