研究課題/領域番号 |
22K08708
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
工藤 篤 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 准教授 (20376734)
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研究分担者 |
田中 真二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30253420)
田邉 稔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50197513)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | バイオマーカー |
研究実績の概要 |
世界中で神経内分泌腫瘍の患者数は増加している。膵NENは我が国の10万人に2.7人が発症する希少疾患とされているが近年増加傾向にあり、剖検798例では日本人の10%に発症している可能性が示唆される. 米国ではNETは大腸癌の次に多いと報告された.本腫瘍は50歳代に発症し、初診時の半数以上がStage IVで遠隔転移の5年生存率は39%である. 1942年以来これまで開発された40以上のモノアナライトバイオマーカーの感度、特異度、予測機能は低く、長期フォローに伴う累積放射線被曝と検査や治療に膨大なコストも含めて治療計画の設計が困難であり、2007年に米国国立癌研究所が開催したサミットでは、モノアナライトの限界とマルチアナライトの有用性が確認された。当科では転移性膵NETと非転移性膵NETを区別するために、肝膵同時切除症例の検体を用いて網羅的遺伝子解析を行い、Gene set enrichment analysis(GSEA) を用いて、40 probeからなるマルチアナライトを導き出した1。原発巣でこれらが抑制されている場合は異時性肝転移を来し、生命予後が不良となる。最近、血中NEN転写産物などの新しいテクノロジーが注目されており、血液中の51 NET marker mRNAをRT-PCRで測定し術後腫瘍遺残を定量する試みが始まっている。本研究は転移性NENと非転移性NENを区別するマルチアナライトマーカー(多角的指標)を開発することが目的である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床検体の集積を継続中であるが、コロナの影響で患者来院の出足が不調であるが、第一、第二の取り組みは最終年度にまとめて行うので、様子を見ている。イメージングバイオマーカーの創出で、当科は肉眼型分類、門脈腫瘍栓分類、Arrival-time Parametric Imaging(At-PI)については順調に進んでいる。第4の取り組みについても、現在症例を集積中である。解析は最終年度に行う。薬物療法におけるバイオマーカーは第1の取り組みを最終年度に行ってからともに解析する
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今後の研究の推進方策 |
第一、第二の取り組みは最終年度にまとめて行うので、現在は手術症例の集積していく。イメージングバイオマーカーの創出で、当科は肉眼型分類、門脈腫瘍栓分類、Arrival-time Parametric Imaging(At-PI)の解析方法は確立しているので一つ一つ症例を蓄積していく。第4の取り組みについても、現在症例を集積していく。解析は最終年度に行う。薬物療法におけるバイオマーカーは第1の取り組みを最終年度に行ってからともに解析する
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次年度使用額が生じた理由 |
手術検体の集積が遅れていて、遺伝子解析にかかるコストを使用できなかった。次年度に持ち越しさせていただきます。
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