研究課題/領域番号 |
22K08719
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
矢野 圭輔 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30757919)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
松久保 眞 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00528036)
大西 峻 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10614638)
山田 和歌 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (20457659)
村上 雅一 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (40825361)
加治 建 久留米大学, 医学部, 教授 (50315420)
杉田 光士郎 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (50781514)
武藤 充 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (70404522)
春松 敏夫 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (70614642)
町頭 成郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80404523)
山田 耕嗣 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80528042)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 短腸症候群(SBS) / 完全静脈栄養(TPN) / 腸管不全関連肝障害(IFALD) / アドレノメデュリン |
研究実績の概要 |
小児外科疾患により大量腸管切除を余儀なくされた短腸症候群(SBS)患児らは、長期の絶食や完全静脈栄養(TPN)による術後管理が必要となる。絶食TPN管理下では腸管不全関連肝障害(IFALD)を高率に発症し、SBSとIFALDの管理と治療が生命予後を大きく左右する。一方、アドレノメデュリンは、臓器血流増加作用や抗炎症作用など多彩な生理活性を有する神経体液性因子であり、多様な臓器に対する保護作用が期待されている。これまで当研究グループからはSBSおよびIFALDの予防または治療法についての基礎・臨床研究成果を多数報告したが、アドレノメデュリンのSBS/IFALDに対する効果は不明である。本研究では、IFALDが誘導されるSBSモデルラットにアドレノメデュリンを投与することでSBSとIFALDを同時に克服し腸管再生と肝障害改善を併せて行う“アドレノメデュリン・ランデブー”治療法の発明を目標とする。計画初年度では、SBS/IFALDモデルラットの作成およびアドレノメデュリンの有効投与量の決定のための実験を行う予定であった。動物モデルとしてのSBS/IFALDモデルラットの作成方法は確立されており当施設からの一定の成果が出ているものの、成人型のIFALDに近い病態を呈するモデルである。小児のIFALDの離床像をより反映した、胆汁うっ滞を主病態としたIFALDモデルを作成するためには、動物モデルの改良が必要と判断した。そのために、ラットを重篤な状態で長期間飼育し続けるための繊細な管理の改良が必要であった。また、今回施設の変更により、全身麻酔方法の変更も余儀なくされた。小児型IFALDの臨床像を反映させた、モデルラットの作成をすすめ、TPN管理期間の違いによる病理組織像の変化を見ることができた一方で、アドレノメデュリンの投与には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験施設の改修により、全身麻酔方法が大きく変更となった。これまで使用していたセボフルラン+酸素の吸入麻酔器から、セボフルランのみで酸素投与は行えない麻酔器へ変更となった。安定して動物モデルを作成するための全身麻酔管理方法、酸素投与を行わないことによる影響を模索・検討した結果、動物モデルの作成や検体採取においては一定の成果は得られたものの、当初の計画よりも遅れることとなった。全身麻酔方法の改良と併せて、動物モデルそのものや管理方法の改良も必要であった。動物モデルの作成には至ったが、アドレノメデュリンの投与までには至っておらず、従って有効投与量を決定するという実験計画のロードマップ上の目標は達成されていない。一方で、モデル動物の改良により、次年度以降により成果を得やすい、前段階の実験は継続して行えている。前段階の実験のひとつとして、アドレノメデュリンと同様にIFALDや短腸症への効果が期待されている、rhHGFを使用した動物実験も継続して行えている。
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今後の研究の推進方策 |
有効投与量を決定し、モデルラットにIFALD発症前後でアドレノメデュリン投与・非投与を行い、投与時期による比較検討を行う。さらに1日1~3回の急速静脈内注射と24時間持続静脈内注射の投与方法による比較検討も行う。IFALDの評価を行い、SBS/IFALD克服のための至適投与時期・投与方法を検討し、治療プロトコルを決定する。治療プロトコルに従って、動物実験モデルへの投与を継続して行う。 前年度までに得られたアドレノメデュリンのSBS/IFALDに対する効果を国際学会で発表し英文誌に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画がやや遅れているために、本年度使用する予定であった額に余剰が生じている。これまでのアドレノメデュリン非投与群のラットと比較検討するために、アドレノメデュリン投与群を作成する。主にアドレノメデュリンの購入に使用する予定である。また、これまでの研究業績の発表のため国際学会に参加・国際誌に投稿する。
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