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2023 年度 実施状況報告書

NASHにおける肝転移抑制の機序解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K08752
研究機関徳島大学

研究代表者

山田 眞一郎  徳島大学, 病院, 特任助教 (30579884)

研究分担者 齋藤 裕  徳島大学, 病院, 講師 (50548675)
森根 裕二  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (60398021)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード非アルコール性脂肪肝炎 / 大腸癌肝転移 / 腫瘍微小環境 / 大建中湯 / SAA1 / TIMP1
研究実績の概要

近年食生活の欧米化に伴い、日本でも肥満人口が急増しており、それに伴い脂肪肝の罹患率も上昇している。さらに大腸癌の罹患率も上昇しており、肥満・脂肪肝/NASH患者に肝切除を行う機会が増加している。我々はこれまで漢方薬の大建中湯(TU-100)の抗癌作用について研究を行っており、NASH肝転移に対するTU-100の影響について検討することとした。まずB6マウスにwestern dietを給餌することで、NASHモデル作成を試みた。8週給餌では肝脂肪化は認めるが線維化はなく、16週給餌により炎症細胞浸潤や線維化を認め、NASHモデルの確立に成功した。さらにマウス大腸癌細胞を脾注し肝転移モデルを作成し(NASH群)、TU-100を給餌した群を作成した(TU-100群)。NAFLD activity scoreを用いたNASHの評価、腫瘍径・腫瘍個数について比較検討した。さらに肝非癌部のRT-PCRにより遺伝子発現を行い、その機序について検討した。TU-100群は脂肪化が有意に抑制され(p=0.03)、NAFLD activity scoreは減少する傾向を認めた(p=0.11)。また腫瘍径はTU-100群で有意に縮小したが(p=0.047)、腫瘍個数は差を認めなかった(p=0.29)。肝非癌部のRT-PCRでは、TU-100群でSAA1(p=0.03)、TIMP1発現(p=0.04)が有意に抑制された。以上より、TU-100はNASHを改善し、大腸癌肝転移を抑制する可能性を有すると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

western dietによるNASHモデル・大腸癌細胞の脾注による肝転移モデルの作成に成功した。さらに、TU-100を加えることでNASH・肝転移が抑制される可能性を示した。近年のNASH・大腸癌肝転移症例増加を鑑み、すでに日常診療でよく使用されているTU-100が、さらに臨床に応用できると考えている。以上により、おおむね順調に進展していると評価した。

今後の研究の推進方策

NASH肝転移モデルに肝切除を加えたモデルを作成し、転移形成に与える影響について確認する予定である。さらに、転移形成に関してexosomeと内包されるmiRNAに着目しており、血中のexosomeを抽出し、NASH群とTU-100群と比較することで、転移形成に関するメカニズムをより詳細に明らかにする予定としている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Inhibitory effect of non-alcoholic steatohepatitis on colon cancer liver metastasis2023

    • 著者名/発表者名
      Yamada S, Morine Y, Ikemoto T, Saito Y, Miyazaki K, Shimizu M, Tsuneyama K, Shimada M.
    • 雑誌名

      European Journal of Surgical Oncology

      巻: 49 ページ: 410-415

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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