研究課題/領域番号 |
22K08767
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
五井 孝憲 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60225638)
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研究分担者 |
山口 明夫 福井医療大学, 保健医療学部, 学長 (10174608)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 大腸癌 / PROK1 レセプター |
研究実績の概要 |
◎高PK-R1発現型・高PK-R2発現型大腸癌細胞株の作製(Prokineticin receptor:PK-R1またはPK-R2) 低PK-R1または低PK-R2発現型大腸癌細胞株に、PK-R1またはPK-R2ベクターを導入して高PK-R1または高PK-R2発現型大腸癌細胞株の作製が終了した。現在PROK1蛋白質にて刺激を加え、機能や形態変化を検討している。またDNA array、タンパク質arrayにて網羅的に解析を行っている。
◎大腸がん原発巣におけるPROKならびにPK-R2の発現の検討 ヒト大腸原発巣(300症例)においてProkineticin 1蛋白質とPK-R2蛋白質の両方とも発現していた症例は36%、片方の発現は34%、両方ともに発現が認められなかった症例は31%であった。また臨床病理学的検討では、Prokineticin 発現とProkineticin receptor2発現と両方の発現陽性症例において脈管侵襲、リンパ節転移、肝転移、血行性転移が有意に多く認められた。さらにStageが増悪するにつれて陽性症例が有意に多く認められた。治癒切除症例における再発や予後については、Prokineticin蛋白質発現ならびにPK-R2発現の両方が陽性であった症例が最も再発し予後も不良であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定の計画に沿って進んでいる。現在のところ予期せぬことは生じておらず、次年度も計画通りに継続していく。
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今後の研究の推進方策 |
現在まで研究は問題無く進んでおり、継続して行える状況である。 作成をおこなった高PK-R1発現または高PK-R2発現型大腸癌細胞株に対して、機能解析を進める。また高PK-R1または高PK-R2発現型大腸癌細胞株を免疫不全マウスの皮下移植後、腹腔内に抗PK-R1または抗PK-R2抗体モノクローナル抗体を投与し、腫瘍増殖状態の観察検討を行う。次いでDNA array、タンパク質arrayにてメカニズムやシグナル伝達を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が計画通りに進まなかった場合の予備として試薬などの消耗品費を計上していたが、研究が順調に進行しているので次年度使用額が生じた。 次年度も免疫組織染色や蛋白質抽出に試薬やキットが必要になるため、それらに充てたいと考えている。
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