• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

膵癌間葉系細胞を標的としたアスコルビン酸による抗腫瘍効果のメタボローム解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K08769
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

上本 伸二  滋賀医科大学, 医学部, 学長 (40252449)

研究分担者 向所 賢一  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50343223)
三宅 亨  滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70581924)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードアルカリ化 / 低酸素 / アスコルビン酸
研究実績の概要

膵癌は間質成分を多く含む腫瘍で、様々な治療に抵抗性を示すことから、新たな治療法が期待される。我々は膵癌細胞に対するアルカリ化とアスコルビン酸によ る抗腫瘍効果について検討するため、培養細胞での検討を行った。膵癌細胞株を用いてアスコルビン酸による癌細胞の増殖をCCK-8で検討した。その結果、アス コルビン酸は濃度依存性に癌細胞の増殖を抑制することを確認した。また、生体内では膵癌細胞株は低酸素状態であると予想されるため、hypoxic camperを用いた低酸素下での培養環境を確立し、低酸素下でのアスコルビン酸による抗腫瘍効果について膵癌細胞株を用いて検討をおこなった。低酸素環境では アスコルビン酸による膵癌細胞株に対する癌細胞増殖抑制効果は減弱することをCCK-8を用いて確認した。in vitroでのアスコルビン酸の抗腫瘍効果を生体内で検討するため、ヒト膵癌細胞株皮下移植マウスモデルを用いて生体内でのアスコルビン酸とアルカリ化による抗腫瘍効果について検討を行った。経口投与による重曹でのアルカリ化とアスコルビン酸の腹腔内投与を行うことにより抗腫瘍効果を認めた。これにより、アスコルビン酸だけでなく、アルカリ化を併用することで抗腫瘍効果が相加的に増加することが示された。また、マウスに移植した腫瘍ではアスコルビン酸とアルカリ化投与することで線維化の減少を認めた。アスコルビン酸とアルカリ化による抗腫瘍効果の機序について検討するため、コントロール、低酸素、低Ph、低酸素+低Phの4条件にアスコルビン酸の有無を加えた、8条件でNGSでの解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

培養実験の系を確立し、様々な条件下でのアスコルビン酸の抗腫瘍効果について検討を行うことができた。また、より生体内に近い環境としてhypoxic campber を用いた解析が可能となった。 マウスモデルではアルカリ化とアスコルビン酸による抗腫瘍効果について再現を持って確認することができた。また、線維化の減少など特徴的な表現形をみとめた。さらに、それぞれの条件でのNGSでの解析を行い、機序の解明に向けて進めていく予定である。

今後の研究の推進方策

今後はNGSの解析に基づいて遺伝子発現だけでなく、代謝経路を含めた解析を行う。 マウスモデルが確立したことから、免疫不全マウスだけでなく、Immuno competentなマウスも用いてアスコルビン酸とアルカリ化による抗腫瘍効果の検討を行う 予定である。また、そのマウスモデルにおけるPHの変化を含め、アスコルビン酸とアルカリ化による抗腫瘍効果の機序の解明を行う予定である。さらに、生体内でのアルカリ化が癌微小環境に及ぼす影響についても検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

前年度にNGSでの解析を行ったため、繰り上げで支出が必要であった。本年度は残高を用いて、研究の総括、論文作成を行っていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] アスコルビン酸の膵癌細胞および線維芽細胞に対する効果と低酸素環境の影響2023

    • 著者名/発表者名
      前川 毅, 三宅 亨, 前平 博充, 谷 眞至, 上本 伸二
    • 学会等名
      日本消化器外科学会
  • [学会発表] 膵癌に対するアスコルビン酸の活性酸素種を介した抗腫瘍効果と低酸素環境の影響(2023

    • 著者名/発表者名
      前川 毅, 三宅 亨, 前平 博充, 谷 眞至, 上本 伸二
    • 学会等名
      日本癌学会総会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi