研究課題/領域番号 |
22K08775
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
楳田 祐三 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10573735)
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研究分担者 |
藤原 俊義 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00304303)
八木 孝仁 岡山大学, 大学病院, 教授 (00304353) [辞退]
永坂 岳司 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30452569)
吉田 一博 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (60824761)
重安 邦俊 岡山大学, 大学病院, 助教 (70544071)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 肝内胆管癌 |
研究実績の概要 |
1. これまで岡山大学病院肝胆膵外科にて行われた肝内胆管癌切除症例より組織サンプルを収集・保存し、DNA抽出を行った。更に、関連病院を含め前向きに収集してきた肝内胆管癌患者の術前・術後血液サンプルの解析を進めている。 2. 腫瘍・宿主免疫応答評価として、各種免疫栄養指標の評価を算出し、再 発予後・生存予後との比較を行った。 また肝内胆管癌切除標本より、腫瘍局所における腫瘍関連免疫反応を評価し、全身免疫栄養指標との関連性を検討すること で、末梢血液における免疫指標の意義を検討している。腫瘍内外における腫瘍浸潤T細胞(Tumor Infiltrating Lymphocyte)を免疫組織染色にて把 握し、CD8/Foxp3を用いた機能評価・スコア化を行った。これまでの解析より、術前の免疫栄養指標は鋭敏に肝内胆管癌の切除予後を反映することを明らかにした。 3. バイオインフォマティックアプローチを用いて4つの候補遺伝子に絞り込み、パラフィン切片から抽出したRNAに対してRT-qPCRを行い、それら4遺伝子の発現について制御性T細胞との関連を検証した。更に、肝内胆管癌の発癌への炎症関与に着目し、RNA編集酵素であるADAR1についてもその発現と腫瘍免疫環境と腫瘍抗原との関連性について免疫染色法で検証し、ADAR1高発現の肝内胆管癌は予後不良であり、FoxP3と弱い相関がみられた。 現在、細胞株および血液中から単離したPBMC、FoxP3を用いて、これら因子が免疫環境に与える影響について検証中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回、制御性T細胞の抗原認識メカニズムに着目し、4つの候補遺伝子に絞り込んで解析を進めたが、切除標本における腫瘍内発現が少なく、予想された結果が得られなかった。また肝内胆管癌の発癌に炎症が関与していることに着目し、RNA編集酵素であるADAR1に着目して解析を新たに進めていることから、研究全体に遅延を生じている。
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今後の研究の推進方策 |
新たに着目したRNA編集酵素と抑制性免疫環境との関連性について、これまでの組織サンプル解析とともに血液検体を用いて解析を進めていく予定である。今後は、幅広く集積した切除標本・血液サ ンプルをValidation cohortとして、本学で得られた実験結果を再度検証していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 肝内胆管癌サンプル収集、及びGenetic/Epigenetic解析を行う中で、リアルタイムPCR、細胞培養に用いる試薬・抗体購入を予定していたが、予定より も少ない量で順調に結果が得られたために、次年度繰越研究費が発生した。 (使用計画) 今後、免疫染色についての基礎実験、及びin vivo実験実施にあたり費用がかかるために、繰越研究費を充てる予定である。
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