研究課題/領域番号 |
22K08792
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
渡辺 亮 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60738847)
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研究分担者 |
石井 範洋 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00711508)
塚越 真梨子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60781317)
調 憲 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264025)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 膵癌 / STMN1 / PIP化合物 / 温熱療法 |
研究実績の概要 |
本研究は難治性である膵癌の新規治療として、悪性腫瘍の増殖・進行におけるKey factorとして報告されているStathmin (STMN)に着目した。STMN1を標的とし、既存の化学療法・温熱療法とシナジー効果をもたらす新規の治療手法の確立を目的としている。ピロールイミダゾームポリアミド(PIP)化合物は任意の遺伝子の発現を特異的に抑えることができる次世代の抗がん化合物で、このPIP化合物を利用してSTMN1を抑制し抗腫瘍効果を証明し、抗がん剤・温熱療法に対する増感効果が得られることを証明できれば、膵癌における新規治療ツールの開発に繋がる。 本年度はSTMN1標的PIP化合物と温熱療法併用における増感効果の検証を行った。In vitroで温熱条件下でのSTMN1標的PIP化合物投与による抗腫瘍効果を評価するために、コントロールの37℃と3時間の加温条件(43℃)で検討を行った。膵癌細胞株はSuit-2を用い、治療効果は増殖能アッセイを用いて比較した。まず3時間の加温条件(43℃)でSuit-2の増殖能に変化が無いことを確認した。その条件でSTMN1標的PIP化合物を投与すると、Suit-2の増殖能が低下することが示された(n=16, P=0.047)。37℃+STMN1 PIPの条件よりも加熱+STMN1 PIP投与により増殖能が抑制されたことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
膵癌細胞株において、STMN1抑制と温熱療法のシナジー効果を証明できたが、1種類のcell lineまでのデータしか得られなかった。異なるcell lineでの再現性を今後、評価する。
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今後の研究の推進方策 |
今回、得られた実験結果を他の膵癌cell lineで再現性が得られるかを検証する。また、増殖能が抑制されるメカニズムの解析として、cell cycleに関与するp27などの因子の変化についても検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究費用に関しては、主に本研究の基礎実験費用に用いた。実験計画がやや遅れ気味であったことも影響したと考える。
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