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2022 年度 実施状況報告書

自己筋芽細胞シート移植による肝不全に対する新規再生医療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K08800
研究機関大阪大学

研究代表者

富丸 慶人  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70528570)

研究分担者 宮川 繁  大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70544237)
江口 英利  大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90542118)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード肝不全 / 筋芽細胞シート / 再生医療
研究実績の概要

まず,動物モデルにおける筋芽細胞シート移植の肝再生能の評価を行うべく,C57/BL6Jマウスを用いた非代償性肝硬変および肝切除後の肝不全モデルを作成し,このモデルに精製した筋芽細胞シートを移植し,肝再生能を評価した.筋芽細胞シートの作成は,本学において心不全改善効果を立証し,臨床応用しているものと同様に行った.非代償性肝硬変モデルはチオアセトアミド投与にて作成し,大量肝切除後の肝不全モデルはマウスに肝切除を行うことで作成した.これらのモデルにおいて,筋芽細胞シート移植による肝臓の線維化抑制効果を組織学的検討(H&E染色,Sirius-red染色,Masson Trichrome染色)にて確認した.また筋芽細胞シートを移植したマウスの肝細胞では,細胞増殖のマーカーであるKi67の発現が有意に亢進していた.さらに,筋芽細胞シートを移植したマウスにて,線維化に関連するマーカー(Acta2,Col1α1)の発現レベルが抑制されていることを確認した.また,血液検査では,移植後5週の時点で,筋芽細胞シート群の方がアルブミンが高値であり,AST,ビリルビンが有意に低値であることを確認した.さらに,肝臓の外側葉と中葉を切除する70%肝切除モデルでは筋芽細胞シートを移植したマウスにおいて,切除2日後に残肝重量の有意な増加を認め,さらにKi67陽性細胞率の増加および増殖シグナルの亢進が示された.さらに90%肝切除モデルを用いた検討も行った,このモデルでは,コントロール群では1日を超える生存は認められなかったが,それに対して筋芽細胞シート移植群では約半数で1日以上の生存が確認され、有意な肝切除後の生存期間の延長を認めた.これらの結果は,筋芽細胞シート貼付の肝線維化抑制による肝再生効果能を示唆するものであった.これらの結果を受けて,現在,筋芽細胞シートの効果の作用機序の解明を目指す実験の準備中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の研究結果は,おおむね当初の予定通りである.

今後の研究の推進方策

現在,小動物にて確認した筋芽細胞シートの肝線維化抑制効果の作用機序の解明を目指す実験の準備中であり,準備完了後,これを行う.さらに,臨床試験を計画する.

次年度使用額が生じた理由

研究はおおむね順調に進んだが,一部の検証実験がまだ行えていないため.今後それらも実施する予定としている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 肝不全に対する骨格筋由来筋芽細胞シート移植による新規肝再生治療開発2023

    • 著者名/発表者名
      富丸慶人,小林省吾,江口英利
    • 学会等名
      第109回日本消化器病学会総会

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公開日: 2023-12-25  

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