研究課題/領域番号 |
22K08806
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
七島 篤志 宮崎大学, 医学部, 教授 (60380838)
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研究分担者 |
横谷 篤至 宮崎大学, 工学部, 教授 (00183989)
徐 岩 宮崎大学, 医学部, 教授 (40506763)
菱川 善隆 宮崎大学, 医学部, 教授 (60304276)
松本 仁 宮崎大学, 工学部, 准教授 (90363572)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 光線力学的療法 / 胆管癌 / 糖鎖連結ポルフィリン錯体 / クリック反応 / light emitted diode |
研究実績の概要 |
1)光感受性薬剤研究:一重項酸素(1O2)の生成能の高いPDT用発色団としてのP-ポルフィリン錯体に、ガン細胞表面のグルコーストランスポーターを認識する部位としてのグルコース、および、PDD用の蛍光プローブであるBODIPYを連結させたBODIPY/グルコースハイブリッド型P-錯体の合成を第一目標とし、本年度は、アセチル化グルコースと臭素末端基を軸配位子に導入した非対称型P-錯体1、および、meso位カルボキシ基を有する蛍光発色団BODIPY 2を合成した(2022年7月学会発表)。非対称型P-錯体1とmeso位カルボキシ基を有する蛍光発色団BODIPY 2の合成がきたが、1と2を連結させアセチル脱保護を行うことで、BODIPY/グルコースハイブリッド型P-錯体を合成することに後半は着手した。 2)光線力学反応の評価:得られたハイブリッド型P-錯体は、蛍光特性、活性酸素生成能、さらに、NOZ細胞株などのガン細胞株を用いたPDD(光線力学診断)/PDT(光線力学治療)機能の評価を行うことを可能としている。PDD機能は、GLUTを蛍光免疫染色させた細胞株にハイブリッド型P-錯体を共存させ、共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡による画像評価に試みている。PDT機能は、独自に開発したLED光源を用いているが、ハイブリッド型P-錯体とBODIPYの誘導化に特異的な蛍光波長の長波長化に取り組んでいる。 3)クリック反応:新規近赤外ターンオンBODIPYプローブと新規ノルボルネン修飾グルコサミン誘導体の合成をし、NIR蛍光発光を示し、腫瘍を有するマウスで腫瘍特異的イメージングを実行でき代謝糖鎖工学標識の2つの誘導体の組み合わせにより、iEDDA反応を用いたin vitroおよびin vivoでの迅速かつ高感度な細胞イメージングが可能になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
合成プローブの合成段階に研究内容と成果達成のエフォートがとらていて、PDDやPDTのがん細胞評価はやや遅れている。腫瘍診断の分子とのクリック反応の完成度がまだ低い。
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今後の研究の推進方策 |
最も重要なPDD/PDT同時に施行できるプローブのプロトタイプが完成すれば、その後の癌細胞でのin vitroやin vivoの技術やLED照射条件はすでに確立しているので研究は加速することが十分可能である。精度を高めるにもプローブの完成度を高めつつ研究成果を上げていく予定である。
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