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2022 年度 実施状況報告書

ヒト羊膜の創傷治癒促進作用に着目した新しい胆汁漏・膵液瘻治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K08815
研究機関東北大学

研究代表者

宮澤 恒持  東北大学, 大学病院, 助教 (80757237)

研究分担者 齋藤 昌利  東北大学, 医学系研究科, 教授 (00451584)
星合 哲郎  東北大学, 大学病院, 講師 (10569560)
戸子台 和哲  東北大学, 大学病院, 准教授 (50581641)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード膵液瘻 / 胆汁漏 / ヒト羊膜
研究実績の概要

肝胆膵領域手術の術後合併症のうち膵液瘻、胆汁漏はときに重篤化し致死的となり得るが、現状ではドレナージにより自然治癒を待つ保存的治療以外に有効な手立てがない。われわれのグループが閉塞性動脈硬化症に対する創傷治癒効果や人工血管感染予防効果に関する研究に用いている胎児由来組織であるヒト羊膜、vascular endothelial growth factor (VEGF)等の各種のgroth factorやサイトカインによるは上皮化促進、抗炎症作用、感染抑制作用、および機械的強度を有して創傷治癒促進効果が期待できる。本研究では小動物胆汁漏・膵液瘻モデルを用いて、ヒト羊膜の胆汁漏、推計瘻に対する治癒促進効果を明らかにし、「ヒト羊膜の創傷治癒促進作用に着目した胆汁漏・膵液瘻治療法」の開発を目指す。
Sprague-Dawleyラットを使用して、膵液瘻、胆汁漏モデルの作成のための実験を行った。膵液瘻モデルは過去に報告されているモデルを参考にし、分葉した膵のうちsplenic lobeの膵実質と膵管を切離して膵液を漏出させるモデルを用いることでおおよその手技が確立しつつある。今後はコントロール群の検査検体を採取し、実際にヒト羊膜を使用した群との比較実験を開始していく。実際に胆汁漏モデルはこれまであまり報告がないため、比較検討可能なモデルの作成のための実験を行っており、70%肝切除を行った上で切離胆管を解放しておくというモデルを採用していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

膵液瘻、胆汁漏モデルを作成するために、Sprague-Dawleyラット計51匹を使用して実験を行った。膵液瘻モデルはこれまで報告があったモデルを参考にラット計27匹を用い、分葉した膵のうちsplenic lobeの膵実質と膵管を切離して膵液を漏出させるモデルの手技を確立させた。再開腹手術を行って評価するタイミングについても検討し、炎症反応は3~5日目までには軽快することが分かったため術後1, 3, 5日での評価が妥当と考えている。今後、実際に血液や腹水の検体を採取したり組織サンプルを採取して行き、また羊膜を使用した群との比較を進めていく。胆汁漏モデルはこれまでほとんど報告がないためまずモデル作成から開始しているが、総胆管を穿刺するモデルや肝の区域を切離しつつ胆管は切離したままにするなどを試している(これまでに24匹を使用中)。

今後の研究の推進方策

膵液瘻モデルについてはコントロール群の検体、標本採取を行っていく。またヒト羊膜被覆を実際に使用し、創傷治癒効果を比較検討していく。
胆汁漏モデルはまだ確立のため試行錯誤中であるが、70%肝切除を行って切離胆管を解放しているモデルの手技習熟につとめていく。

次年度使用額が生じた理由

実験モデル作成段階のため、検査試薬購入はまだ行っていないため。

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公開日: 2023-12-25  

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