研究課題/領域番号 |
22K08821
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
松永 隆志 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (30939898)
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研究分担者 |
遠藤 善裕 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (40263040)
谷 眞至 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60236677)
清水 智治 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70402708)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | エンドトキシン / ESP法 / 縫合不全 |
研究実績の概要 |
本研究では「腹水中エンドトキシン測定による消化器疾患術後の縫合不全の早期診断の探索」として、本学で実施した消化器疾患症例の術後ドレーン排液中のエンドトキシンを本学独自の測定法であるエンドトキシン散乱測光法(ESP法)と比濁時間分析法(従来法)のそれぞれで測定し、ESP法の有用性を検討することを目的としている。 現時点で、約280例分の検体を収集できており、エンドトキシン測定を部分的に実施したところ、上部消化管手術後の縫合不全症例や肝胆膵手術後の膵液瘻、胆汁瘻ではエンドトキシン上昇の程度にばらつきが大きかったものの、大腸手術後の縫合不全症例では有意に高値を示すことが判明した。そのため、現時点では吻合、ドレーン留置を伴う大腸手術症例のエンドトキシン測定を重点的に行なっている。 2023年1月までで大腸手術検体については105例の検体が収集できており、縫合不全症例は5例であった。現時点で約90例分のドレーン排液中エンドトキシン測定が終了している。ESP法、従来法ともに手術翌日(POD1)の縫合不全症例においてエンドトキシン値が有意に高値であることが判明した。また、手術直後(POD0)でも縫合不全症例において高い傾向を認めていた。 今後も症例を蓄積しESP法と従来法の比較検討をしていく。また、ドレーン排液中の炎症性サイトカイン(TNF-αなど)も測定することで、菌体成分であるエンドトキシンを直接測定することの有用性の有無、相違点について比較検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画では予定症例数を年間140例で想定していたが、現在まで105例の検体を収集できている。今後も症例を積み重ねる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、収集検体のエンドトキシン、サイトカイン測定を継続し学会発表、論文化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画時点では比濁時間分析法による測定のためトキシノメーター、トキシノマスターを購入予定であったが、院内に設置されているリムセイブ MT-7500で測定可能であった。そのため、現時点では購入を見合わせている。
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