研究課題/領域番号 |
22K08828
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
曽山 明彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (10549447)
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研究分担者 |
江口 晋 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80404218)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 再生医療 / 細胞治療 / liver progenitor cell / 胆汁うっ滞 |
研究実績の概要 |
ラット成熟肝細胞を3つの低分子化合物(ROCK阻害剤、TGF-β阻害剤、GSK3阻害剤)を添加した培地で培養することにより肝細胞、胆管上皮細胞の両者に分化可能な肝前駆細胞(chemically induced liver progenitors) CLiPを誘導する手技を確立した。今回の研究では、CLiPを胆管再生、肝再生のどちらも必要とする慢性胆道疾患に対する細胞治療の細胞源として使用可能かどうかを、in vivoモデルを用いて明らかにすることである。 肝内の胆管増生を促すモデルとして、ラットの総胆管離断モデルを作成し、同モデルにおいて、肝実質内に豊富な胆管増生が生じることを明らかにした。現在、CLiPを総胆管離断モデルの肝実質、肝門部周囲組織等に移植し、その動向、分化の評価を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CLiPの作製手技、胆管増生を促す総胆管離断モデルの確立が予定通りに実施できたことは計画通りといえる。一方で、現在まで、肝門部に移植したCLiPが安定して同部位に存在するための細胞運搬の方法手技の確立がされておらず、その点が今後の課題と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
肝内での胆管増生を促すラットモデル、肝細胞から低分子化合物を用いたliver progenitor cellの作製手技を確立した。今後、GFPラットから分離した肝細胞からliver progenitor cellを誘導し、上記モデルの肝門部、肝内、胆管に移植し、その後の細胞分化の過程を評価する。肝門部の移植に際して細胞外マトリクスを用いての細胞運搬を行っていたが、移植した部位に安定してとどまることが難しいため、現在、その他の物質を用いての細胞移植実験を行っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
CLiPの培養手技、総胆管切離モデルの確立に時間を要したため、次年度使用額が生じた。肝細胞採取、細胞分離、CLiP作製の為のラットの購入、また作製したCLiPを移植するラットの購入に充てる予定である。また移植後の結果について、学会発表の為の旅費に充てる予定である。
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