• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

がんの免疫逃避を克服する複合的がん免疫細胞療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K08843
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

目片 英治  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80314152)

研究分担者 村田 聡  滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90239525)
谷 眞至  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60236677)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード癌免疫細胞療法 / 免疫寛容 / CTL / OX40 / 免疫チェックポイント阻害薬 / LAP吸着カラム / mB7-DC-Fc
研究実績の概要

細胞免疫治療で移入する癌抗原特異的CTLが、担癌生体内での免疫トレランスに打ち勝ち、抗腫瘍機能を維持可能な複合的がん免疫細胞療法を開発する。具体的には、抗OX40抗体がもつCTLへの機能増強作用と制御性T細胞への機能抑制作用、mB7-DC-FcのもつCTL機能増強作用、LAP吸着カラムによるTGF-β産生免疫抑制性細胞の除去作用、さらには、免疫チェックポイント阻害剤によるCTLの活性化維持作用を利用して、細胞移入した癌抗原特異的CTLが、癌免疫逃避を克服し、抗腫瘍機能を維持する事を、がん抗原特異的な免疫寛容マウスモデルを用いて検証し、さらにはヒト大腸癌抗原特異的CTL細胞の樹立へと展開するための研究を開始した。
〈癌抗原特異的CTLの樹立と移入された担癌生体内での機能維持〉
非免疫寛容マウスモデル(FVB/N)にて、LAP吸着カラムを用い免疫抑制性細胞を吸着除去した環境下で、癌抗原ペプチドを抗原提示する抗原提示細胞と、T細胞エフェクター機能増強のための1)抗OX40抗体 2)mutant-B7-DC-Fc癒合タンパク、免疫チェックポイント阻害剤である 3)抗PD-1抗体 4)抗CTLA-4抗体をそれぞれ共培養して癌特異的CTLを誘導し、レシピエント担癌(非免疫寛容)マウスに細胞移入して、抗腫瘍免疫効果を観察した。さらに、移入前のCTL (CD8+T細胞) をCSFEで標識し、1)2)3)4)の各種免疫作用物質介入の有無により、移入後の担癌レシピエント内でのCD8+T細胞分裂回数を比較しているところである。
HER2特異的な免疫トレランスマウスを用いて、上記免疫作用物質で誘導したHER2特異的CTLが、免疫トレランス状態の担癌生体内で、HER2特異的抗腫瘍免疫効果を示すことを調べる実験も本年度から開始した

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた、癌抗原特異的CTLの樹立と移入された担癌生体内での機能維持の実験に着手できた。
非免疫寛容マウスモデル(FVB/N)は順調に繁殖飼育できた。LAP吸着カラムにより脾細胞から免疫抑制性細胞を吸着除去できた。癌抗原ペプチドを抗原提示する抗原提示細胞と、T細胞エフェクター機能増強のための1)抗OX40抗体 2)mutant-B7-DC-Fc癒合タンパク、免疫チェックポイント阻害剤である 3)抗PD-1抗体 4)抗CTLA-4抗体をそれぞれ共培養して癌特異的CTLを誘導をIFN-γ分泌細胞内染色で確かめる事ができた。

今後の研究の推進方策

引き続き、非免疫寛容マウスモデルにて、経時的に担癌生体内でのCTLの機能維持状態を、細胞内IFN-γ染色(ICS)で観察し、最も優れたCTLの樹立方法を選定する。
さらに、免疫寛容マウスモデル(HER2/neu transgenic mouse:HER2特異的な免疫トレランスマウスモデル)を用いて、上記免疫作用物質で誘導したHER2特異的CTLが、HER2に対する免疫トレランス状態の担癌生体内で、HER2特異的抗腫瘍免疫効果を示すことを詳細に調べていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定した予算執行がほぼ実施できたが、33,958円の次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した助成金と合わせ、HER2特異的な免疫トレランスマウスを用いて、各種免疫作用物質で誘導したHER2特異的CTLが、免疫トレランス状態の担癌生体内で、HER2特異的抗腫瘍免疫効果を示すことを調べるための、マウス飼育関連費や培養関連試薬、各種免疫作用薬の追加購入に使用していく予定である。

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi