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2023 年度 実施状況報告書

食道癌術後反回神経麻痺の改善を目的とした羊膜細胞による神経損傷修復材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K08863
研究機関東北大学

研究代表者

谷山 裕亮  東北大学, 大学病院, 講師 (00622987)

研究分担者 亀井 尚  東北大学, 医学系研究科, 教授 (10436115)
小澤 洋平  東北大学, 大学病院, 助教 (10757123)
戸子台 和哲  東北大学, 大学病院, 准教授 (50581641)
佐藤 千晃  東北大学, 大学病院, 講師 (60646800)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード羊膜 / 神経再生
研究実績の概要

当施設の動物実験専用棟において、ラットを用いて坐骨神経切断・縫合モデルを作成し、羊膜シートを巻いた群とコントロール群を作成し坐骨神経の創傷治癒と機能改善効果を検討した。フットスタンプ法でラットの運動機能を測定、また2週おきに創を開けて神経刺激による筋電図検査を行い損傷させた神経の回復の経過を検証した。また途中の経過で神経を摘出し組織学的な変化の検証も行った。
結果では、フットスタンプ法による簡易的な運動検査ではコントロール群と比較して優位な結果は見られなかった。これは神経損傷させたラットでは患側の足をかじってしまう傾向があるため、運動機能の回復過程が分かりづらかったことも挙げられる。一方、筋電図を用いた検査では、4週の段階では両群において神経の回復が見られなかったものの、8週の段階ではコントロール群と比較して羊膜シートを巻いた群では神経伝導が回復している事が判明した。しかし12週以降ではコントロール群も同様に回復し、その後は羊膜シート群との有意な差は示されなかった。この事から羊膜シートは神経損傷の早期回復に寄与しているものと考えられたが、それが神経の再生なのか抗炎症作用による間接的な作用なのかは不明であった。そこでHE染色による組織学的評価を行ったところ、少数の検討ではあるが切断された神経の末梢でも神経細胞が萎縮・減少している事が確認され、神経そのものが再生している印象は受けなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラットは損傷した足をかじってしまう事があるため運動機能そのものを見ることが難しかった。
多少の損傷ではすぐに神経機能が改善してしまうため、良い具合の損傷モデルの作成が難しかった。
2週おきに創を開くと次第に癒着が強くなってくるため、少し間隔を変更する必要があった。

今後の研究の推進方策

①神経の組織学的検索をオスミウム固定のトリジンブルー染色で行い、神経のミエリン鞘の厚さなど詳しい検索を行い組織学的に羊膜の効果を検証する。
②熱損傷モデルを作成し同様に改善効果が得られるか検討を行う。
これらの結果を今年度国際学会に発表し、さらに論文化する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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