研究課題/領域番号 |
22K08905
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
川村 純一郎 近畿大学, 医学部, 教授 (90422948)
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研究分担者 |
大東 弘治 近畿大学, 医学部, 講師 (00368359)
幕谷 悠介 近畿大学, 大学病院, 助教 (10792468)
和田 聡朗 近畿大学, 医学部, 講師 (10830200)
坂井 和子 近畿大学, 医学部, 講師 (20580559)
家根 由典 近畿大学, 大学病院, 助教 (20895908)
所 忠男 近畿大学, 医学部, 准教授 (30278676)
吉岡 康多 近畿大学, 医学部, 講師 (30617379)
上田 和毅 近畿大学, 医学部, 教授 (50330270)
牛嶋 北斗 近畿大学, 医学部, 講師 (80716457)
岩本 哲好 近畿大学, 医学部, 講師 (80769422)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 直腸癌 / 腸管免疫 / 腸内細菌 / 縫合不全 |
研究実績の概要 |
大腸癌(結腸直腸癌)手術における周術期合併症である縫合不全は、患者の予後・QOLに影響する重大な合併症であり、大腸癌手術において最も解決すべき大きな課題である。縫合不全の原因となる手術因子として、①不完全な吻合②吻合部腸管の過緊張③吻合部周囲の血流低下などがあげられるが、これらの手術手技が問題なくとも、縫合不全となる症例を経験する。創傷治癒には様々な血球細胞や間質細胞が関与しているが、他の手術部位と大きく異なり大腸には膨大な数の腸内細菌が存在する。本研究では、大腸癌手術における腸内細菌と免疫細胞が縫合不全に与える影響を検証することを目的としている。 当施設にて直腸癌に対して直腸切除術を施行した患者から、術前・術当日・術後の一連の便サンプルを回収している。同時に、手術で得られた切除標本の吻合部近傍正常粘膜を回収している。便サンプルでは術前後のサンプルを解析することで周術期の変化を検証し、縫合不全に関与する可能性のある腸内細菌を同定することが可能になる。また、組織サンプルの解析により、吻合時の腸管粘膜に浸潤した腸内細菌を評価することができる。これまで10例超の直腸癌手術症例のサンプルを回収しているが、これらの患者においては縫合不全を認めておらず、さらなるサンプル収集を予定している。 縫合不全を生じた患者が10例に達した時点で、手術標本・便サンプルを用いて次世代シークエンサーによる腸内細菌叢解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施計画では、縫合不全を生じた患者と生じなかった症例を選び、10例ずつの手術標本・便サンプルを用いて次世代シークエンサーで腸内細菌叢解析を行う予定としていたが、現時点で縫合不全をきたした患者を認めていない。医療機器の向上や手術技術の進歩により、縫合不全の発生率が低下傾向であるが、当施設においても同じ傾向を示しているため、今後も同様の傾向が続く可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
さらなるサンプル収集を予定しているが、縫合不全症例の集積が進まない場合には、解析症例の変更を考慮する。縫合不全を生じていない症例のサンプル回収は進んでいるので、解析結果に影響が出ない範囲で両群の解析症例の比率の変更を考慮する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実施計画では、縫合不全を生じた患者と生じなかった症例を選び、10例ずつの手術標本・便サンプルを用いて次世代シークエンサーで腸内細菌叢解析を行う予定としていたが、現時点で縫合不全をきたした患者がいなかったため、研究が進まず予算を繰り越すこととなった。 引き続きサンプル収集を進め、縫合不全を生じた患者が10例に達した時点で、解析を行うために予算を使用する。 ただし解析結果に影響が出ない範囲で両群の解析症例の比較の変更を考慮する。
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