左前方小開胸による低侵襲右室補助人工心臓装着法の開発

2022 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 22K08913
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 安藤 政彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70630606)
• 研究期間 (年度): 2022-04-01 – 2027-03-31
• キーワード: 植込型補助人工心臓 / 心臓移植 / 右心不全

研究実績の概要

本研究の目的は、植込型左室補助人工心臓装着中に生じる遠隔期の重症右心不全に対して、安全且つ低侵襲な機械的右室補助の方法を動物実験において確立することである。世界的にも、右室への植込みを目的として開発された商業用の植込型右室補助人工心臓は存在しない。また経皮的右室補助法は未だ我が国では使用できる状況にない。結果、重篤な右心不全に対しては遠心ポンプを用いた体外式右室補助人工心臓を装着する必要があるが、脱血管を右房に挿入し、送血管を肺動脈に吻合するため、胸骨を再度正中切開して心臓周囲の癒着剥離をするという過大な侵襲を伴う。本研究においては、臨床に応用できる左側方開胸での低侵襲な右室補助人工心臓の装着手技/管理方法を確立する予定であり、実験動物は体重50kg前後のYorkshire豚の雌を使用予定であった。実際の動物実験を開始するにあたり、動物実験室の環境整備及び環境確認や、必要物品の購入準備、実際の実験手法確立のための文献検索等に時間を要し、本年度においては使用予定であった研究費は使用せず、次年度以降に持ち越しとする方針とした。また、最終的にはブタ右心不全モデルにおいて低侵襲な右室補助人工心臓による補助を3ヶ月間継続することを目標としていたが、慢性期の動物管理費用が高額であり、使用予定である研究費の枠内で慢性実験を行う可能性を残すために充分な事前準備をしてから急性実験に着手する方針とした。次年度以降、実際の急性実験を開始できるように事前準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記の通り。新しい大動物実験の実験モデルであるため、動物実験等の環境確認や必要物品購入のための事前準備に時間を要したため。

今後の研究の推進方策

2023年夏頃を目標に動物実験を開始出来るように、引き続き準備を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

動物実験の開始が遅れているため、本年度の経費は次年度に使用する方針とした。