研究課題/領域番号 |
22K08944
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松原 健太郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70348671)
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研究分担者 |
尾原 秀明 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (20276265)
福田 和正 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50348786)
松原 由美子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (70365427)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 血管内膜肥厚 / 細胞シート / ASCL |
研究実績の概要 |
ラット腹部大動脈擦過モデルの作成と評価を主体に行った。ラットの麻酔管理や開腹手技、大動脈・腸骨動脈の解剖の把握、またバルーンカテーテル挿入の練習に習熟した後に、擦過後2週間後に腹部大動脈を採取し、病理組織学的に評価し、実際に十分な内膜肥厚が得られているかの評価を行った。コントロールとして、まず正常個体の腹部大動脈を採取して、ホルマリン固定の上、パラフィン包埋切片の作成、HE染色を行ったが、十分な評価ができなかったため、固定方法の調整を要した。灌流固定で評価したところ、大動脈壁の十分な評価が可能であることが判明した。次いで擦過を行った個体において、2週間後に再開腹し、擦過した腹部大動脈を採取し、内膜肥厚を病理組織学的に評価した。コントロールと比して一定の内膜肥厚が生じている結果は得られたが、次段階でラット皮下脂肪組織由来ASCL細胞シートの内膜肥厚抑制効果の検討するためには、さらに高度の内膜肥厚が生じることが望ましいと考えられた。 またラット皮下脂肪組織由来ASCL細胞シートの生体内での作用機序を解明するにあたって、大動脈壁に貼付した後のASCL細胞の大動脈壁内への遊走の有無を評価することが必要と考え、GFP蛍光ラベリングしたラットASCL細胞の作製を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
組織における人事異動や、医師の働き方改革が本格化したことにより、本研究の推進にも少ながらず影響があり、進捗にやや遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
腹部大動脈擦過後の内膜肥厚評価時期の調整ができ次第、動脈障害部位に対して生食滴下、ASCL細胞懸濁液滴下、ASCL細胞シート貼付の3群で比較を行う。また、GFP蛍光ラベリングしたASCL細胞を用いて、大動脈壁内への細胞遊走の有無を評価する。また、血管平滑筋細胞とASCLの共培養によるProliferation Assayを行い、血管平滑筋細胞の細胞数や遺伝子発現の評価を行う。これらによりvitroおよびvivoのいずれの研究計画ともに最終年度に進捗を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果である。次年度の物品費として使用することを予定している。
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