ステントグラフト内挿術前に予防的に大動脈瘤分枝を塞栓し、術後の分枝逆流による2型エンドリークを予防するため、架橋型2孔式シースイントロデューサーの特許を申請し、共同開発企業を国内外で探索した。最終的に側孔付きシースの製品化の実績があるカテラ株式会社との共同研究契約を目指したが、想定される償還価格は安価であり構造が複雑なため開発費が高額となるため事業化に見合わないという結論となり、契約に至らなかった。また、同様の手技を既存のカテーテルとガイドワイヤの組み合わせで実施可能とする英文論文が2023年1月に発表されていたことが判明した(Annals of Vascular Surgery 2023;88:308-317)。このことから仮に他社で製品化できたとしても十分な利益を得られるシェアの獲得は難しいと考えられた。研究期間は残されていたが研究代表者が退職することとなり研究の続行が困難となったため、中止することとした。
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