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2023 年度 実施状況報告書

EGFR compound mutation肺癌における遺伝素因による発癌機構

研究課題

研究課題/領域番号 22K08990
研究機関千葉県がんセンター(研究所)

研究代表者

横井 左奈  千葉県がんセンター(研究所), 遺伝子診断部, 部長 (30372452)

研究分担者 岩田 剛和  千葉県がんセンター(研究所), 呼吸器外科, 部長 (30586681)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード肺癌 / EGFR
研究実績の概要

肺腺癌において、EGFR遺伝子の変異は癌化およびチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)感受性の指標として最も重要な分子マーカーのひとつである。近年、肺腺癌において、EGFR変異の約20%が複数の変異からなる複合変異であり、チロシンキナーゼ阻害薬の感受性を低下させる要因となることが明らかになってきた。しかし、複合変異の発生メカニズムやどの様な症例に生じるのかは明らかになっていない。
我々の同定したEGFR複合変異症例では、L858R等の活性化型変異単独と比較して肺癌におけるチロシンキナーゼ阻害薬の感受性が低下していた。また、それらの複合変異症例には重複して癌を発症している症例が多いことを見出した。更に、それらの症例において、複合変異は互いにcis位に配置されていた。さらに、これらのEGFR複合変異においては、common mutationは体細胞由来であるものの、uncommon mutationは生殖細胞系列由来であることを明らかにした。このuncommon mutationは、日本人および欧米人の一般集団にはほとんど認められないレア・バリアントであり、進化上、魚類からヒトまで高度に保存されていた。このuncommon mutationは、肺癌易罹患性に関わると考えられた。これらの症例のうち、発端者が現在も当院に通院している症例につき、臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーによる家族歴聴取を行い、上下三世代に渡る詳細な家系図を作成した。症例の家系図の比較検討では、これらは三度近親以内の血縁関係にはない異なる家系であることを確認した。一般人口でのアレル頻度は、国際的にも、我が国でも極めて希であるが、当院の診療圏の創始者変異である可能性を考えて、一般住民1000人の生殖細胞系列のシークエンスを実施したが、変異は検出されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、一般住民の生殖細胞系列のEGFRシークエンスを完了した。

今後の研究の推進方策

ここまでの成果の論文化を進める。また、肺癌の易罹患性のメカニズムの解明に引き続き取り組む。

次年度使用額が生じた理由

生殖細胞系列のEGFRシークエンスを工夫し、物品費を節約して実施する方法を開発できたため。

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公開日: 2024-12-25  

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