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2023 年度 実施状況報告書

肺がんにおける癌関連線維芽細胞の機能解析と新規治療戦略の提案

研究課題

研究課題/領域番号 22K09000
研究機関大阪大学

研究代表者

磯野 友美  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00869282)

研究分担者 新谷 康  大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90572983)
福井 絵里子  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90814591)
狩野 孝  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70528455)
大瀬 尚子  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10570559)
舟木 壮一郎  大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50464251)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード癌関連線維芽細胞 / 肺癌 / 微小環境
研究実績の概要

癌関連肺線維芽細胞(CAF)の単離用のフローサイトメトリーの測定パネル、ならびに単離にも耐えうる細胞分散のプロトコルの条件検討、最適化を完了した。CAF特異的マーカー5色(αSMA, PDGFRβ, FAP, CD90, Podoplanin) とdamp-channel(CD45,CD31,EpCMA)で染色し、22例(肺腺癌15例、扁平上皮癌7例)の肺癌検体のCAFの測定を行った。結果、CAFのサブグループは非常に多様性に富んでおり、かつその構成は症例によって複雑に異なっていたが、肺腺癌においては比較的明瞭な5つのサブグループに分かれていることがわかった。また、CAFはdamp-channel陰性分画の80%程度を占めるといわれているが、いずれかのCAFマーカーが陽性である分画はdamp-channelの10-60%程度であり、この値から推定する限り5色でもCAFを網羅的に検出することはできていないと考えられ、現時点ではCAFのすべてを標的とした複合的な投薬の戦略の目途は得られていない。他のマーカーの追加の余地は考えられた。肺癌ではCAFの検出ならびに単離が難しく、過去の機能解析は、いずれも一度in vitroでの培養を経たものであったが、培養の過程でphenotypeは変わることも本研究で確認され、in vivoでのサブグループの実態は明らかになっていなかった。本研究で単離のプロトコルを確立し、染色パネルを完成させCAF特異的マーカーの発現状態の知見を得たことは、今後のin vivoでの各サブグループの機能解析につながる重要な進捗と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

damp-channelを構築し、ここからCAFマーカーを検出できたこと、CAFの測定パネルを作成できたことは大きな進歩であった。しかし、網羅性が不十分であるなど、さらなる改良の余地を残す。

今後の研究の推進方策

本来は単離を想定して細胞表面染色のマーカーのみを使用したパネルを作成していたが、細胞内染色を要するαSMAがサブグループ分けに重要な役割を果たし、現行の細胞外染色の4色のみではCAFの網羅性が落ちることがわかった。さらなるマーカーの追加検討を行うか、まず症例と臨床経過、あるいは他の免疫プロパティなどのデータと合わせてサブグループのクラスタリングを十分検討し、方策を再検討する必要があると考える。

次年度使用額が生じた理由

誤差です。ほぼ満額使用させていただいております。

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公開日: 2024-12-25  

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