研究課題/領域番号 |
22K09009
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
遠藤 俊輔 自治医科大学, 医学部, 教授 (10245037)
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研究分担者 |
大谷 智仁 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (40778990)
坪地 宏嘉 自治医科大学, 医学部, 教授 (50406055)
和田 成生 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (70240546)
真鍋 徳子 自治医科大学, 医学部, 教授 (70463742)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 左房 / 4DMRI / 数理流体解析 / スーパーコンピューター / 肺葉切除 / 左房血栓 / AI / 画像編集 |
研究実績の概要 |
我々は、肺癌に対して左肺上葉切除術を施行した症例の術前後の4DCTの左房形状をもとにスーパーコンピューターを用いて左房内の数理流体解析を行ってきた。 左房内の流体は術前後で流体は大きく変化することが分かった。術前の左房内には拡張期に旋回流が、収縮には栓流が生じることが観察された。術後は左房内に流入する肺静脈血流が旋回流を形成せず左房内で衝突し、大きなエネルギーロスを生じる現象がみられる症例があった。この衝突流は、流体力学的に大きなエネルギー損失につながり、このような術後の左房流体変化が左房内の血栓形成に関係していることが示唆された。このような衝突流は肺静脈切断部位の解剖学的位置・左房内に流入する血流量の変化や肺静脈切断部位の解剖学的位置・左房の形状変化などがその発生因子として考えられた。 今回は今まで行ってきた左房の形状変化をもとにした数理流体解析の妥当性を検討するため、心臓4DMRIを用いた流体のパラメーターと同じ4DMRI を用いた数理流体解析から得られたパラメーターとを比較検討している。4DMRI画像は数理流体解析を行うには鮮度が低いため現在AIを用いたMRI画像の鮮明化を行っている。鮮明化された4DMRIの左房変化を用いた数理流体解析の妥当性が証明されれば、放射線被曝することなく、左房の流体解析が可能となると考えられる。将来的にはこのような衝突流に伴うエネルギーロスが心房細動や粗動などの不整脈の原因になっているかを証明する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
4DMRI画像を数理流体解析するためにAIimageを用いて左房の動画画像の鮮明化を行っている
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今後の研究の推進方策 |
解析に耐えうる鮮明な画像を作成するため放射線科医師と協力してAI手法を用いて作成していき、解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
数理流体解析を行うための左房の1心拍中の形状変化の画像データが鮮明化するために、生画像データをAIImage scanningをもちいて仮想鮮明化できるよう検討しているため実験が計画より遅れているため解析費用を次年度へ繰り越した
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