研究課題/領域番号 |
22K09043
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
石田 公美子 (松尾公美子) 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (80467191)
|
研究分担者 |
杉山 由紀 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (10468100) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 術後痛 / 炎症性疼痛 / 神経炎症 / 免疫細胞 |
研究実績の概要 |
これまで術後痛は、ヒトや動物モデルの皮膚から筋肉への創部痛(切開後痛)として研究されてきた。しかし実際に手術侵襲が加えられる病巣は、原疾患である腫瘍や炎症により、末梢組織では虚血、炎症、神経原性炎症、免疫応答に伴う血管新生や神経新生が生じており、その結果、中枢神経系の痛み関連領域(pain matrix)にも可塑的変化が起きている。従って、実際の術後痛は、健常組織の損傷による外傷痛とは異なり、組織の損傷と治癒過程が共存する末梢組織に外科的侵襲が加わり、pain matrixにさらなる可塑的変化を生じることで、痛みの遷延化リスクを高める可能性がある。本研究では、実際の臨床に類似させるために、我々が新たに開発した術後痛モデルを用いて、①末梢組織や脊髄における炎症や神経炎症と術後痛遷延化に関するメカニズムを解明し、②末梢組織、脊髄における免疫細胞をターゲットとした新規術後鎮痛薬、鎮痛法の開発を行う。 令和4年度は、マウスの炎症術後痛モデルの作成と疼痛行動の経時的変化の記録、浮腫の評価を行い、新たな術後痛モデルでは、痛みや浮腫がより長時間持続することが確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、マウスの新たな術後痛モデルを作成し疼痛行動の評価と浮腫の評価を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度以降は、末梢組織における免疫細胞の検討や脊髄・後根神経節におけるグリア細胞と末梢神経の分布、関与する脊髄分節の検討を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画で見込んだよりも安価に計画が進んだため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は令和5年度請求額と合わせて消耗品費として使用する予定である。
|