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2022 年度 実施状況報告書

RNAiでの脳水チャネル調節と低酸素プレコンディショニングによる脳神経保護効果

研究課題

研究課題/領域番号 22K09057
研究機関愛知医科大学

研究代表者

藤田 義人  愛知医科大学, 医学部, 教授 (90238593)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード脳虚血 / プレコンディショニング / 脳低温 / βブロッカー
研究実績の概要

アクアポリン(AQP)Knockdownとover-expression細胞株の確立と並行して低酸素負荷でのカテコラミンサージのβブロッカーの効果発現の実験を行なった。また低酸素プレコンディショニングの条件確立を試みた。
低酸素負荷後に細胞状態を低酸素チャンバーで再検討した。プレコンディショニングの条件として、15%酸素、10%酸素、5%酸素、1%酸素の条件での細胞死の状態を観察した。21%酸素での培養と比較して、15%酸素では細胞数に変化はなかったが、それ以下の濃度はむしろ細胞数の増加を観察した。1%低酸素負荷の条件が最も低酸素負荷となるためこちらのモデルを採用する。低酸素に加え低血糖の状態を付加して虚血モデルでも確認できており、プレコンディショニングモデルを確立できたと考えている。
βブロッカーは、マウスマクロファージ様細胞RAW 264.7細胞を用いて,エピネフリン(Epi)がリポポリサッカライド(LPS)で誘導される腫瘍壊死因子(TNF-α)のmRNA発現に及ぼす影響を検討した。プロプラノロールがEpiの効果に与える影響も検討した。LPS (100ng/ml) 添加後,Epi(1μM/L) 添加し,プロプラノロール (100,200μM/L) を添加した。TNF-α mRNA発現量をリアルタイムPCR法により定量した。Epiは用量依存的にTNF-α mRNA発現量を有意に減少させた.LPSはTNF-α mRNA発現量を有意に増加させた。EpiはLPSに誘導されたTNF-α mRNA発現量を有意に減少させた。プロプラノロールはエピネフリンによって抑制されたTNF-α mRNA発現量を有意に増加させた.Epiはベースライン並びにLPSで誘導されるTNF-α mRNA発現量を減少させた。プロプラノロールはTNF-α mRNA発現量に及ぼすエピネフリンの効果に拮抗した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ノックダウンとover-expressionの確立している。低酸素の程度により低酸素負荷は、負荷後に細胞が増える傾向を確認した。そのため原因の追究を行なっている。現在での低酸素負荷が、プレコンディショニングの状態を惹起し、細胞死を確かめる実験の操作での少量酸素が細胞増加の原因の一つと考えている。繰り返し確かめられた現象であるので、これまでの発表された論文とことなる結果のため原因を慎重に検討している。
並行してすすめている低酸素負荷で起こるカテコラミンサージとβブロッカーの実験は、βブロッカーがTNF-αのmRNA発現量に及ぼすエピネフリンの効果に拮抗することを見出した。結果の一部は2023年の麻酔科学会にて発表する予定である。さらに論文作成につなげていきたい。

今後の研究の推進方策

現在、実際の低酸素における細胞増加現象が、プレコンディショニング、脳浮腫との関係などの解明を進めている。低酸素状態の程度によってアポトーシスを起こしている現況を定量的調節できることを目指したい。低酸素での影響を評価できるよう、研究を進めている。それらを行った上で、ノックダウン、over-expressionをもちいてアポトーシスに対しての影響を検討する予定である。今回プレコンディショニングのモデルとして確立できたと考えているのでこれを用いて更に研究を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

アストロサイトの調達を現時点では、毎回ratをsacrificeしてのprimary cultureでではなく、業者からの購入した細胞を使用した。そのため、若干の経費の繰越となった。現在、論文の投稿等、計画に則り使用する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Effect of intraoperative systemic magnesium sulphate on postoperative Richmond Agitation-Sedation Scale score after endovascular repair of aortic aneurysm under general anesthesia: a double-blind, randomized, controlled trial.2023

    • 著者名/発表者名
      1.Haruna Kanamori, Yoshihito Fujita, Rina Joko, Ryota Ishihara, Yoshihiro Fujiwara.
    • 雑誌名

      PLoS One.

      巻: 18 ページ: e0281457

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0281457

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Use of broad-spectrum antimicrobials for more than 72 h and the detectionof multidrug-resistant bacteria in Japanese intensive care units: amulticenter retrospective cohort study2022

    • 著者名/発表者名
      Hideki Yoshida, 25 authors, Yoshihito Fujita and DIANA Study Japanese group
    • 雑誌名

      Antimicrobial Resistance & Infection Control

      巻: 11 ページ: 119

    • DOI

      10.1186/s13756-022-01146-3.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Usefulness of low tidal volume ventilation strategy for patients with acute respiratory distress syndrome: a systematic review and meta-analysis2022

    • 著者名/発表者名
      Ryohei Yamamoto, Satoru Robert Okazaki, Yoshihito Fujita, Nozomu Seki, Yoshufimi Kokei, Shusuke Kekine, Soichiro Wada, Yasuhito Norisue and Chihiro Narita
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 ページ: 9331

    • DOI

      10.1038/s41598-022-13224-y.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 入院患者の急変に迅速に多翁するには:RRSの院内普及への工夫2022

    • 著者名/発表者名
      藤田義人
    • 雑誌名

      現代医学

      巻: 69 ページ: 85-90

  • [学会発表] 看護師及び診療看護師主導のRRTとNEWSスコアリングでのCCOTによる要請しやすいRRTの工夫2023

    • 著者名/発表者名
      藤田義人
    • 学会等名
      第50回日本集中治療医学会
  • [学会発表] GICUに緊急入室する患者のMRSA持ち込みに関する危険因子2023

    • 著者名/発表者名
      板津良、矢野久子、藤田義人
    • 学会等名
      第50回日本集中治療医学会
  • [学会発表] Prognostic value of procalcitonin after elective non-cardiac surgery: a cohort study.2022

    • 著者名/発表者名
      Y. Fujita and Y. Fujiwara.
    • 学会等名
      The first Joint Scientific Congress of TSCCM, TSECCM, and JSICM
    • 国際学会
  • [学会発表] プロカルシトニン測定による非心臓術患者の術後合併症予測(優秀演題)2022

    • 著者名/発表者名
      藤田義人、藤原祥裕
    • 学会等名
      第69回日本麻酔科学会学術集会
  • [学会発表] スポットチェックモニターを用いたRRS活動経験(招請演題)2022

    • 著者名/発表者名
      藤田義人
    • 学会等名
      第33回日本臨床モニター学会総会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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