研究課題/領域番号 |
22K09067
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
杉山 由紀 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (10468100)
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研究分担者 |
田中 聡 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (60293510) [辞退]
石田 公美子 (松尾公美子) 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (80467191) [辞退]
川真田 樹人 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (90315523) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | リンパ球系前駆細胞 / 敗血症 |
研究実績の概要 |
重症患者や敗血症患者において、好中球が増加しリンパ球が減少した状態が持続する免疫異常が生じることは知られているが、詳細なメカニズムは解明されていない。近年、敗血症時にはリンパ球の分化・増殖に重要なIL-7が骨髄内で減少することや、交感神経刺激が造血幹細胞や前駆細胞の骨髄球系細胞への分化を誘導し、リンパ球系細胞への誘導を抑制することなどが報告された。しかし、敗血症時の交感神経系による骨髄環境やIL-7への影響については明らかではない。本研究では、敗血症時の交感神経系による免疫細胞への影響を骨髄まで含めて検討し、交感神経系への介入による免疫制御という新たな治療戦略を示すことを目的としている。2022年度は、敗血症モデルとして盲腸結紮穿孔(CLP)マウスを作成し、生存率・体重変化など基礎データを収集した。CLPマウスでの骨髄の変化については、長期造血幹細胞、多能性前駆細胞、リンパ球系共通前駆細胞、骨髄球系共通前駆細胞についてを解析した。本CLPモデルでの生存率は、術後(POD) 2で90%、POD 4で70%、体重減少率はPOD2で約13%、POD4で約8%であった。骨髄における長期造血幹細胞の割合は、経時的に増加傾向となりPOD 4で有意に増加した。一方でリンパ球系共通前駆細胞の割合はPOD 2において約40%、POD 4において約60%有意に減少した。以上より、敗血症時は骨髄において免疫細胞の増員体制が生じるが、リンパ球への分化に関してはより早期から抑制されることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究者が研究機関を移動することになり、実験系の整理と移動準備が必要となったため研究の進捗に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
移動先での研究再開にむけて準備している。2023年度は引き続き基礎データを収集するとともに、交感神経脱落モデルを加えて、骨髄とその他の免疫組織での免疫細胞の動態について解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究機関の移動準備に伴い、実験に遅れたため次年度使用額が生じた。研究再開準備が整い次第、物品費等に使用する予定である。
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