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2022 年度 実施状況報告書

体外循環による腎機能障害に対する亜硝酸塩の腎保護効果の検討と分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K09074
研究機関札幌医科大学

研究代表者

大野 翔  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10882904)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード亜硝酸塩 / 腎保護効果
研究実績の概要

体外循環後の急性腎障害に対する亜硝酸塩の腎保護効果を検討するためにラット人工心肺ー急性腎障害モデルを作成した.腎障害は腎組織の腎障害マーカー(KIM-1)のmRNAの発現量が上昇することを確認した.また亜硝酸塩の至適投与量を検討するため,亜硝酸塩を0.3 mg/kg,1.0 mg/kg,2.0 mg/kg,3.0 mg/kg静注し,体外循環開始5分時点での血中濃度を測定した.2.0 mg/kgの投与で臓器保護効果を発揮する10~20 nMに収まっていることを確認した.
ラット人工心肺ー急性腎障害モデルにおいて,体外循環前の亜硝酸塩2 mg/kg静注が腎保護に関わるかを検討するためにSham群(カニュレーションのみ),人工心肺群,人工心肺+亜硝酸塩群の3群の比較検討を行った.各群5例ずつ行った予備実験では亜硝酸塩の腎保護効果が期待できる結果となった.腎保護効果の分子機序に迫るためにミトコンドリア機能やミトコンドリアの癒合.分裂に関わるタンパク質のmRNA,活性酸素に関わるタンパク質のmRNA,腎レニンのmRNA,溶血への関与等を検索したが,仮説を証明するに足りる結果とならなかった.
現在同様のプロトコルで盲検化し,本実験を遂行中である.作用機序に関しては上記と同様の検討は行うが,網羅的解析(RNA-sequence)等も検討する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

体外循環モデルラットの腎機能評価を行った.
120分の体外循環後,15分の再灌流の後,ELISAやqPCRで腎障害マーカー(NGAL,KIM-1)を行ったが,腎障害マーカーの上昇がみられなかった.
腎障害マーカーが上昇するためにはより長時間の再灌流が必要と判断し,60分の体外循環,240分の再灌流とプロトコルを変更し,qPCRで腎障害マーカーの上昇を確認した.
また亜硝酸塩の至適投与量を検討するため,亜硝酸塩を0.3 mg/kg,1.0 mg/kg,2.0 mg/kg,3.0 mg/kg静注し,体外循環開始5分時点での血中濃度を測定した.2.0 mg/kgの投与で臓器保護効果を発揮する10~20 nMに収まっていることを確認した.
予備実験(3群5例ずつ)では亜硝酸塩の腎保護効果は期待できる結果となったが,その要因を探るためにミトコンドリア機能やミトコンドリアの癒合.分裂に関わるタンパク質のmRNA,活性酸素に関わるタンパク質のmRNA,腎レニンのmRNA,溶血への関与等を検索したが,仮説を証明するに足りる結果とならなかった.
60分の体外循環,240分の再灌流のプロトコルに変更し,亜硝酸塩の腎保護効果を検討するための実験を遂行中である.

今後の研究の推進方策

今後はSham手術群(カニュレーションのみ),人工心肺群,人工心肺+亜硝酸塩群の3群を10例ずつ盲検化して行い,腎保護効果を検討する.
腎保護効果の機序に関しては上記のミトコンドリア関連等を検索するが,仮説を証明するに足らない可能性があり,網羅的な検索(RNA sequence)等も検討する.

次年度使用額が生じた理由

ほぼ計画通りの使用であり,次年度以降も同様に人工肺や人工心肺回路等の消耗品のため使用する.

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公開日: 2023-12-25  

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