研究課題/領域番号 |
22K09085
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研究機関 | あいち小児保健医療総合センター(臨床研究室) |
研究代表者 |
小嶋 大樹 あいち小児保健医療総合センター(臨床研究室), 臨床研究室, 主任研究員 (60620804)
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研究分担者 |
蔵谷 紀文 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00468373)
海法 悠 東北大学, 大学病院, 助教 (50875606)
鈴木 康之 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 手術・集中治療部, 部長 (60179265)
浦山 ケビン 聖路加国際大学, 専門職大学院公衆衛生学研究科(公衆衛生大学院), 教授 (60726850)
小林 康磨 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部), 麻酔科, 医員 (90932583)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 小児 / 麻酔 / 気道管理合併症 / 困難気道 / リスク因子 |
研究実績の概要 |
研究計画時に2022年度の研究実績の目標として、1)データ登録システムの構築、2)研究開始時参加の5施設におけるデータ収集を軌道に乗せる、3)各施設間の定期的な情報共有システムの構築強化、4)プロトコール論文の作成公表を計画していた。これら1~4すべてにおいて達成することができた。具体的に1,2については、2022年度4月~5月にデータ登録システム(REDCap)を整備完了し、研究計画時に予定していた5施設のリサーチリーダーを中心としたデータ収集トレーニングを完了した。2022年度6月よりこれらの施設において実際のデータ収集を開始した。3)多施設間のデータ収集の疑問や変数の定義を明確化し、各施設でのデータ収集に伴うバイアスを最小限にするため、各施設のリサーチリーダー参加による定期的なオンラインカンファレンスを開催し、施設間の協力体制の強化を図ることができた(2022年4、5、11月の3回実施)。さらにすぐに本研究に関する情報の共有のためSlack(アプリケーション)を用い、できる限り早期に情報共有ができるシステムを構築した。4)本研究プロトコールは、プロトコール論文としてBritish Medical Journal Open誌(オープンアクセス)に掲載された。1~4以外の研究実績として、J-PEDIA(本研究の名称)のホームページを作成、Google上で公開した。宣伝事業効果もありデータ収集のための研究協力施設は、現在大学病院、小児病院、市中病院を含め13施設に増え、収集データは1年間で約9000例(本研究の目標サンプル数は17000例)に至っており、当初の予定通り研究データの収集も順調に進んでいる。今後は2024年度6月までデータ収集を行い、その後解析、論文執筆、2024年度10月頃に論文投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究体制および多施設間の情報共有体制を2022年度6月までに構築することができた。さらに、JPEDIA研究のホームページおよび学会や麻酔商業誌を通じた宣伝事業を推進することで、当初5施設で開始した本研究であったが2023年5月現在13施設に増加し、大学病院、小児病院、市中病院が参加するに至っている。プロトコール論文の作成も予定通り進み、BMJ Openに受理され公開されている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、第28回日本小児麻酔学会にて本研究をテーマとして講演を行う予定であり、麻酔商業誌(LiSA)においても本研究について紹介するためより多くの麻酔科の目に留まる機会が増える。それに伴い参加施設数を現在の13施設からさらに増やすように活動を推し進める予定である。2024年度6月には必要サンプル数を達成する予定であり、その後データ解析、論文執筆に進み、2024年度10月に論文原稿を投稿する予定である。研究を進める一方で、本研究には日本の小児麻酔中の気道確保の安全向上に貢献するといった命題を併せ持っている。2024年度6月の本研究用データの収集終了を目途に、各参加施設毎の気道管理中の合併症発症率およびリスク因子の解析を行い、その結果を各施設にフィードバックする。さらに、オンライン会議にて合併症を減らすための工夫や医療者教育などの情報を共有する機会を持つ予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度では、研究体制の構築(REDCapの貸し出し料、ホームページの作成料等)に主に研究資金を使用した。次年度では、海外学会での研究成果の報告のための旅費、統計ソフト購入、引き続きデータ登録システム(REDCap)の使用料を中心に研究費を使用する予定である。
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