研究課題/領域番号 |
22K09089
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
遠山 悟史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30318092)
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研究分担者 |
若林 健二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20723795)
岡本 健太郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (90458373)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 脳波 / 全身麻酔 / microvesicles |
研究実績の概要 |
2022年度は小児外科手術症例にて全身麻酔中の脳波解析を行った。脳波モニター(Sedline)を用いて全身麻酔中(プロポフォール)の脳波を小児症例20例から抽出した。脳波モニター上オ鎮静度の指標であるPSIは麻酔導入により低下傾向を示すが、成人のような一般的な鎮静指標レベルには必ずしも到達しなかったが、いずれの年齢層でも成人と比較して高振幅徐波を示した。また、モニターのDSA表示では2歳以下では5Hz以下の徐波を中心とした脳波であるのに対して2歳より大きい年齢では5Hz以下の周波数帯のほかに12-15Hzの周波数帯も多く認められた。Sedlineから得られた脳波を抽出し、スペクトラム解析を行うとDSAで得られている情報を数値化することができ、2歳未満ではいわゆるα周波数帯の変化が乏しくδ波の増強を中心とした脳波が特徴的であるのに対して、2歳以上では全身麻酔によりδ波の増強のほかに成人と同様にα周波数帯の増強が得られることが示された。ただし、個人差が強く、商標ベースの鎮静指標であるPSIやSEF値では至適鎮静度を特定することは難しいことが考えられ、スペクトラム解析により何らかの客観的指標を同定することが必要であることが考えられた。また、プロポフォールによる全身麻酔中の脳波解析のみであり、セボフルランによる全身麻酔中の脳波解析はまだ症例数が十分ではない。また、2022年度では、全身麻酔中の脳波解析が基本であり、全身麻酔中のmicrovesiclesの測定にまでは至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
症例数の関係上、脳波解析を行うところまでの状況である。
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今後の研究の推進方策 |
セボフルランによる麻酔中の脳波解析も検討する。症例数が十分に到達した後に小児での至適脳波指数の有無を検討すると同時にmicrovesciclesの測定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
既存のモニターによる脳波解析のみでありmicrovesiclesの測定を行っていないため。
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