研究課題/領域番号 |
22K09115
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
吉田 隆浩 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (40452148)
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研究分担者 |
岡田 英志 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30402176)
富田 弘之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50509510)
鈴木 昭夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (80775148)
手塚 宜行 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任教授 (90868209)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 血管内皮グリコカリックス / 血管内皮障害 / 血栓 |
研究実績の概要 |
血管内皮グリコカリックスは糖タンパク質や多糖類で構成され、健常な血管内皮表面を覆うように存在する層状の構造物であり、血管内腔の抗血栓性を維持している。感染やショックによって全身性炎症反応症候群 (SIRS) が惹起されると、しばしば凝固系が活性化され全身に微小血栓が多発する播種性血管内凝固症候群 (DIC) が引き起こされるが、この要因の一つとして血管内皮グリコカリックスの障害が考えられる。血管内皮グリコカリックスは急性炎症だけでなく、糖尿病のような慢性病態においても障害される。このようなグリコカリックスが障害される基礎疾患が存在すると、SIRS下では微小血栓の多発により重症化する可能性が高いと考えられる。本研究の目的は糖尿病モデルマウス、さらに血管内皮特異的グリコカリックスノックアウトマウスを用いて微小血栓モデルを作成し、感染症の重症化要因である血栓塞栓症と血管内皮グリコカリックス障害の関連について明らかにすることである。肺微小血栓モデルは10週齢の2型糖尿病モデルマウスと野生型マウスにそれぞれ頚静脈からCollagen type 1 (SIGMA: C3867) 12mg/kgとEpinephrine (SIGMA: E4250) 300ug/kgを投与して作成した。野生型マウスでは投与10分後では生存率が75%であったのに対し、糖尿病モデルマウスでは生存率が著しく低下していた。血栓の評価のためvon Willebrand Factorの抗体を用いて免疫組織化学的に解析を行ったところ糖尿病マウスでは抗体陽性の面積が野生型マウスに比べ有意に増加しており、糖尿病マウスにおいて血栓が有意に多いことが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き糖尿病マウスを用いて検討を行い、血管内皮特異的グリコカリックスノックアウトマウスを用いた検討も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学の機器センター使用費の請求が年度をまたぐため、次年度使用額として残しておく必要があったため。現在は使用し、残額はない。
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