研究課題/領域番号 |
22K09117
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
池尻 薫 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90813014)
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研究分担者 |
川本 英嗣 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (20577415)
朴 恩正 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (20644587)
島岡 要 三重大学, 医学系研究科, 教授 (40281133)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 心停止後症候群 / PD-L1 / PD-1 / 免疫麻痺 |
研究実績の概要 |
病院外心肺停止症例では迅速な蘇生処置により自己心拍が再開しても、心停止後症候群(post cardiac arrest syndrome:PCAS)により、重度の多臓器不全が 起こり、患者予後を悪化させる。PCAS病態の中心に虚血再灌流障害による免疫系の制御不全があると考えられるが、その詳細は不明である。 我々は、患者血液中で可溶性PD-1リガンド(PD-L1)が、継続的に異常高値を示し、臓器不全の重症度や免疫麻痺の程度と相関することを明らかにしてきた。 OHCAにおけるsPD-L1の血漿中濃度は有意に上昇しており、敗血症で観察されるのと同程度のレベルまで上昇していた。CPR中のsPD-L1レベルは、末梢リンパ球数の減少およびC反応性蛋白レベルの上昇と相関していた。ROSC症例におけるsPD-L1レベルの経時的解析から、sPD-L1レベルは臓器不全と並行して発生することが明らかにした。本研究では、心肺蘇生中の虚血再灌流が、免疫細胞と内皮細胞を異常に活性化してsPD-L1を循環中に放出し、PCASに伴う免疫疲弊と臓器不全の発症に関与している可能性を示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
来院時心肺停止患者の血液サンプルは順調に取得できており、解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
sPD-L1と患者重症度の相関関係を解析し、心停止後症候群の予後を予測するため、機械学習を用いた予測モデルを開発予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由)今年度は解析中心に実験を行い、実験試薬の費用が発生しなかった。 使用計画)次年度に患者検体をまとめて解析する。そのための試薬費用に充てる予定。
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