研究課題/領域番号 |
22K09121
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
牧 盾 九州大学, 大学病院, 講師 (10368665)
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研究分担者 |
白水 和宏 九州大学, 大学病院, 講師 (30568960)
十時 崇彰 九州大学, 大学病院, 助教 (30813141)
東 みどり子 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50315082)
松下 克之 九州大学, 大学病院, 助教 (60794211)
山浦 健 九州大学, 医学研究院, 教授 (70264041)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 急性腎障害 / 敗血症 |
研究実績の概要 |
敗血症による急性腎障害(acute kidney injury; AKI)の発症および病態進展の機序の解明を目的に研究を行っている。本研究では、敗血症モデルとしてラットの盲腸結紮穿刺(cecal ligation and puncture; CLP)による腹膜炎モデルを用いている。 初年度(2022年度)は、同じラットを用いた他の薬剤によるAKIを用いて、AKIの発症を観察できることを確認した。 二年目(2023年度)は、ラットCLPモデルを用いて、敗血症に起因するAKIの発症を観察することを目標とした。ラットのCLPによる敗血症では、大腸菌を起炎菌とする腹膜炎でありエンドトキシンショックを呈して、循環が破綻してしばしば早期に死亡します。そのため、AKIの発症を評価することができないことが多くため、その先の実験に進めないのが問題点である。現在、CLPモデル以外に、急性期での循環管理が可能でAKIの発症を評価できるモデルへの変更を検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ラットCLPモデルで敗血症によるAKIが発症し、その個体で様々な検査を行う予定で実験を計画していた。しかし、実際にはラットCLPモデルでは、急性期の循環動態の変動が大きく、AKIの発症の経過を観察することも難しかった。そのため、CLPモデル以外に、敗血症でありながら循環変動があまり大きくなく、AKIに関連した実験に進むことができるモデルの選択が必要となった。 現在、新たなモデルの検討や、敗血症性ショック急性期でのAKI評価の妥当性を検討する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
CLPモデルでの腎機能の評価方法を考えること、また死亡するリスクが高いならば摘出臓器での検討などを行っていく必要がある。 一方で、AKIの発症を観察するためには、敗血症でありながら比較的循環破綻のリスクが低いモデル作成が急務である。 CLPモデルおよびCLP以外の敗血症モデルを用いて、AKIの評価、AKI発症に関わる因子や病態の進行に関わった因子の解明を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
別の実験で同じ実験系、モデルを使用しており、そこでモデル動物の基本的な評価方法などを検討し、実際には本研究の研究費を使用せずに検討できた。 研究によって新たな知見が得られていないため、学会発表等の旅費が発生していない。
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