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2022 年度 実施状況報告書

NIRO-PulseによるPrehospitalでの脳主幹動脈閉塞診断技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K09134
研究機関筑波大学

研究代表者

奥根 祥  筑波大学, 附属病院, 病院助教 (10932220)

研究分担者 丸島 愛樹  筑波大学, 医学医療系, 講師 (40722525)
早川 幹人  筑波大学, 医学医療系, 講師 (80450229)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード近赤外線分光装置
研究実績の概要

NIRO-Pulse (Hamamatsu Photonics,NIRO-200NX,NIRO-CCR1)は,脳内の酸化ヘモグロビン(O2Hb)および脱酸化ヘモグロビン(HHb)の濃度変化を計測し,パルス波形として表示できる近赤外分光装置である.本年度は,脳卒中疑い患者において,NIRO-Pulseによる脳主幹動脈閉塞(LVO)症例の診断能を検討した.【方法】2022年4月から6月までの当院救急搬送患者のうち,救急隊および初療医により脳卒中が疑われた症例を悉皆調査した.搬送直後にNIRO-Pulseを装着し,10心拍分の総ヘモグロビン濃度変化 (ΔcHb)・O2Hb濃度変化 (ΔO2Hb)・HHb濃度変化(ΔHHb)を抽出し,それらの1心拍あたりの平均値,plsO2(pulse-oxygenation),TOI(tissue oxygenation index)を測定した.plsO2はΔO2Hb/ΔcHB×100(ΔcHB=ΔO2Hb+ΔHHb)により算出した.各測定データの患側/健側比率を算出し,LVO群と非LVO群(非LVO脳梗塞,脳出血,非脳卒中)で比較検討した.【結果】NIRO-Pulseを装着できた症例は18例であり(年齢中央値73,男性12例,NIHSS中央値6).LVO群は5例,非LVO群は13例(非LVO脳梗塞5例,脳出血6例,非脳卒中群2例).LVO群を内頸動脈(ICA)の3例に限定すると,ΔO2Hb,plsO2の患側/健側比率が有意に低下し(ΔO2Hb; 78±13% vs 103±17%, p=0.017,plsO2; 90±6% vs 100±7%, p=0.027), ICA閉塞の診断能を表すC統計量は0.993であった.【結論】NIRO-PulseはICA閉塞によるLVO診断に有用と考えられ,今後簡便な解析ツールを作成する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は実際に救急搬送患者に対しNIRSを用いて評価し,データを収集することができた.おおむね脳卒中疑い症例の60%以上にNIRSを装着できデータを集めることができた.血流画像データに関しても脳主幹動脈閉塞症例においては十分なデータが得られている.しかし,カテーテルからの試料採取に関しては滞っている.次年度の解析に向けて,簡便な解析ツールを作成中である.

今後の研究の推進方策

今後は,簡便な解析ツールを作成し,得られたデータを解析し,Prehospitalで用いることができる様なデバイス作成をすすめていく.また,実際に得られた画像データや試料から,その有効性を検討する.

次年度使用額が生じた理由

試料の採取と解析ツールの開発のための物品購入が遅れており,翌年度に購入の予定となったため.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] NIROpulseによる非侵襲的な急性期脳主幹動脈閉塞診断の検討2022

    • 著者名/発表者名
      奥根祥, 丸島愛樹, 烏谷一帆, 沼尾紳一郎, 田中駿, 平嶺敬人, 高橋利英, 小磯隆雄, 細尾久幸, 伊藤嘉朗, 早川幹人, 松丸祐司.
    • 学会等名
      第38回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術集会
  • [学会発表] NIROpulseを用いた非侵襲的な脳主幹動脈閉塞の脳循環評価2022

    • 著者名/発表者名
      奥根祥, 小山泰明, 丸島愛樹, 早川幹人, 塚田篤志, 山野晃生, 平嶺敬人, 日野天佑, 中尾隼三, 高橋利英, 神徳亮介, 細尾久幸, 伊藤嘉朗, 松丸祐司.
    • 学会等名
      第47回日本脳卒中学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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