研究課題
今年度の研究の目的も、前年度に引き続き、腸間膜リンパ液中の脂質の炎症関連物質を網羅的に解析することにより、迷走神経刺激による侵襲後の多臓器不全の抑制効果に関するメカニズムを明らかにすることであった。そこで腸管虚血再灌流モデルにおける腸間膜リンパ液の脂質のメディエーターの解析を行った。ラットの上腸間膜動脈をクリップにて一時的に遮断し腸管虚血を作成し、その後、上腸間膜動脈を解放し腸管虚血再灌流障害モデルを作成し、腸間膜リンパ液は実験中、経時的に採取し、その後、腸間膜リンパ液から脂質の抽出を行い、質量分析を用いノンターゲット分析を行った。その結果、再灌流時間が2時間のモデルでは炎症収束性の脂質のメディエーターであるレゾルビンなどの変化を同定することができなかったが、プロスタグランE2の上昇を認めたため、その観点からProstaglandin E-major urinary metabolite(PGE-MUM)に注目し、研究を行い、PGE-MUMが関係する可能性について報告した。その成果を論文報告を行った。レゾルビンに関しても引き続き研究を行っていく予定である。
3: やや遅れている
腸管虚血再灌流モデルにおいて、2時間のモデルでは腸間膜リンパ液中のレゾルビンの同定が困難であったためやや遅延している。現在、動物実験にてレゾルビンの最適なタイミングを検討している。
今後、腸管虚血再灌流モデルにおいて、蘇生時間を6,12時間にしてモデルを作成し、再度、腸間膜リンパ液中の脂質を調べる予定である。
研究の進行がやや遅れているため、次年度、使用額が生じています。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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