研究課題/領域番号 |
22K09137
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
齊藤 岳児 浜松医科大学, 次世代創造医工情報教育センター, 准教授 (50402277)
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研究分担者 |
力丸 翼 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (30928627)
高橋 善明 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (50647386)
吉野 篤人 浜松医科大学, 医学部, 特任教授 (90240332)
成瀬 愛子 浜松医科大学, 産学連携・知財活用推進センター, 特任助教 (40892857)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 無人治療 / ドローン / ローバー / 救急 / 災害 |
研究実績の概要 |
2022年度の計画であった蜂型医療用ドローンについて、第51回救急医学会総会学術集会で「ドローンによる大腿部無人筋肉注射方法の検討」として発表した。傷病者の大腿部を想定した食用肉に、自作した注射用ソケットを装備したドローンによる水平穿刺と垂直穿刺とを行い、穿刺と液体注入は全例成功した。針に関しても自作し、針側面に小孔を開け先端をパテで閉鎖することで製作した。目標穿刺点からのずれは、水平穿刺群では 38.6±17.7 mm、垂直穿刺群では 59.4±30.3 mm (p=0.013)であり、水平穿刺の方がより正確に筋肉注射できることが分かった。穿刺深度に関しては、水平穿刺群で42.4±16 mm、垂直穿刺群で29.3±16.6 (p= 0.006)であり、こちらも水平穿刺群の方が深く穿刺できた。この研究結果は論文作成中である。 さらに、2023年度に作成予定の穿刺用スコーピオン型ローバーの開発に着手した。アトラックラボ製のローバーを改造し、ローバー上に設置した昇降に加え前後方向に動くクレーンに付属した前方/下方視用カメラを装着したローバーを製作した。操縦はwifi経由によりiPadでのローバー操作に加えクレーンカメラの操作が一括でできるようにした。傷病者に見立てた被験者を臥位とし、ローバーが穿刺する大腿部を同定可能な段階まで研究は進行している。注射器の射出に関しては、2022年度に製作した自作針を用いて実験進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度に開発予定であった射出装置の正確性が不十分でありるため、やや実験遂行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
ドローンによる穿刺は問題なくできているが、ドローンの発進の際に危険が伴うことがあり発進台を作成する予定である。ローバーによる穿刺については、カメラによる傷病者の同定はうまくいっており、射出機器を完成させるため鏡筒型の構造を用いて製作していく。それと同時に今年度、プロトタイプができている無人治療ピットを完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
ローバーの基本となる本体に対して装備を修飾している段階であり、完了してからローバーを最終購入することになっているため、次年度使用額が生じている。今年度、各種購入をする予定である。
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