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2023 年度 実施状況報告書

RyR2を標的にした新規CAMKII阻害薬による敗血症性左室拡張機能の制御

研究課題

研究課題/領域番号 22K09144
研究機関長崎大学

研究代表者

石崎 泰令  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (60368941)

研究分担者 吉富 修  長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (30380926)
関野 元裕  長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40380927)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード敗血症性心筋症 / RyR2・リアノジン受容体 / 敗血症 / 心筋拡張能障害 / CAMK Ⅱ / P-Vループ
研究実績の概要

近年、敗血症性心筋症の概念が提唱されて、心筋拡張障害が重症敗血症および敗血症性ショックの独立した予後予測因子である事が報告されている。その機序について明確な結論は得られていないが、心筋細胞内Ca2+濃度調節障害の関与が報告されている。心筋細胞においてRyR2(Ryanodine recepter 2)は、筋小胞体(SR)膜上に存在するCa2+放出チャンネルで、SRから細胞質内へのCa2+放出調節を担っている。不全心ではRyR2から細胞質内へのCa2+異常漏出が起こり、これが心筋拡張能および収縮能障害と関与している事が明らかとなりRyR2を標的とする新規心不全・不整脈治療薬の開発が進められている。一方で敗血症性心筋症に
おいてもSRからのCa2+漏出が起こっている事が報告され、RyR2を過リン酸化させるCAMKⅡ(Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase 2)が敗血症性心筋症の発症要因として注目を集めている。しかし敗血症心筋とRyR2-CAMKⅡ系の関連についてはまだ不明な点が多い。本研究では、ラット敗血症心筋症モデルで、RyR2安定化化合物及びCAMKⅡ阻害薬が敗血症性心筋に与える影響と発生機序を明らかにする事で、敗血症患者の救命率改善を目的とした治療戦略の基礎を確立できると考える。ラット敗血症モデルを作成しデータ測定を開始している。一時的にP-V loop機器の不具合も判明し、実験を中断した時期もあったが、現在再開している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

実験機器の不具合が判明したたため、実験中断を余儀なくされた。
Covid19パンデミックの影響で実験に関する物流・在庫が滞り実験器具の納品が遅れ、更に大阪や東京の業者の立ち入りも厳しく制限され研究が滞った。

今後の研究の推進方策

ラットで敗血症性心筋症モデルを作製してラット用のP-Vループ測定キットで測定を開始したが、購入したPVループ測定機器の設定が上手くいっていないことが判明した。現在、調整終了し、実験を再開している。敗血症モデルは安定して作成できているが、敗血症性心筋症モデルの評価を心エコーで行っているが、心エコーのデータが安定していない所で正常ラットと敗血症性心筋モデルの比較を実験を行いながら進めている。

次年度使用額が生じた理由

測定機器の不具合により、実験の実施が困難となり、一旦、実験機器を調整の目的で業者が持ち帰り中断を余儀なくされた。またcovid19パンデミックの影響で実験に必要な物品の物流も滞り購入に至らなかったため、残額が生じた。また東京や大阪の学会も中止が相次ぎ、旅費の支出が予定よりも少なかった。
次年度の実験に必要なラット、LPS、麻酔薬などの購入に充てる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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